「で、どう思う?」
「どう……って」
「あの人の……エッチの仕方。なんとなく聞いててわかるでしょ?」
「え……っと」
そりゃ、まぁ大体は。
前戯は短い方だと思う。濡れたら入れてるって感じで、声も我慢させて。
お頭らしいっちゃらしいけど。
「あたし、正直に言うと不満って言うか、不安って言うか……」
「あの人、自分本位なとこあるからなぁ」
「そう!ほんと、忍務の後なんてキスもしないで背中向けて寝ちゃうし」
「あー でしょうねー」
「心配して待ってるあたしの気持ちなんて全然無視なんだもの」
小夜さん、いつもお頭の無事を祈って待ってるんだろうな……。
おれだったら、ただいまってキスして、傷の手当てとかしてもらって、一緒に寝て……幸せだろうなぁ。
「エッチの時もね、あんまり、舐めてくれなくて……」
真っ赤な顔で段々小さくなっていく声。こっちの顔も真っ赤だと思う。
おれだったら……いっぱい、いっぱい舐めて、もうやめてって言うまでたくさん気持ちよくしてあげるのに。
足の先も、耳の裏も、膝も、二の腕も、全部舐めて……今まで誰も舐めた事がないような所も全部おれがしてあげたい。
小夜さんなら毎日だっていい。
姫抱きにして、隠し部屋まで行って、たくさん声出していいよって言ってあげるんだ。
白目くん、気持ちいいって、こんなの初めてだって、小夜さんに褒めてもらいたい。
なんで、おれじゃないんだろう……
なんで、お頭の彼女なんだろう……
おれの方が絶対、優しくするし、大事にするのに。
おれだったら小夜さんにこんな思いさせない。
「おれじゃ、ダメなんですか……」
「……?」
「おれ、小夜さんが好きです」
「白目くん……」
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