メールもくれないんだ……
もう寝てるのかな。あたしはちっとも眠れないで携帯握りしめてるのに。
『好きだと言ってくれたのはあたしとのセックスだけですか?』
だめだ。こんなメール。
ストレートすぎる。
『照星さんへ
さっきはごめんなさい。
私は恋人になれたのかと勝手に思い込んでいました。だからキスマークに怒りが抑えられなかったの。
そう言えば私は付き合おうなんて一言も言われてませんでしたね。私が馬鹿でした。忘れて下さい。』
かわいくない……
こんな嫌味っぽいの送ったら本当に嫌われちゃう。
まだ終わらせたくないよ……好きなんだもん
『私は照星さんの何ですか?』
聞きたい。
送信してしまおうか……
聞き方がキツいかな。
『私は照星さんにとって……「あっ……!」
打ってる途中で着信。
気持ちの準備もなしに繋がってしまった電話をあたしは慌てて切ってしまった。
相手は照星さん。
再び、電話が鳴る。
彼専用の着信音は一緒に見た映画のサントラにしてあった。
通話ボタンを押す指が軽く震えた。
『切った?』
「すみません……」
電話だと一層色っぽく聞こえる彼の声。
『出てくれたからいい。ちゃんと家に着いてるかと思って』
「はい。大丈夫です……」
『なら、よかった。痕が消えたらまた会ってくれるか?』
「そ、そう言う問題ですか!?」
『……違うの?』
照星さんの感覚にあたしはついていけなくて、返事もせずにそのまま電話を切った。
本当に、あたしは彼の何だったんだろう……
好きだよ、とベッドでじゃれあった夜が遠い昔のような気がする。
一人で浮かれて、バカみたいだ。
- 27 -☆しおりを挟む☆
≪back