△ 一番安心する人
2015/08/01

バルトロマイオス
「まだ次の町までけっこうあるし、今日はここら辺で野宿でもするか」

エリアス
「えぇっ!野宿は暗いから嫌ですよ!」

レノス
「わがままを言うな、目的地はまだ先なのだから野宿しかないだろう」

エリアス
「あう……」

アリス
「…俺は食料を調達してくる」

レノス
「私も着いていこう。エリアス、お前はワカメと寝床や焚き火の用意を頼む」

バルトロマイオス
「ワカメ言うな!」

エリアス
「えっ、師匠ぼくと一緒じゃないんですか!?」

レノス
「前衛と後衛を均等に分けた方がいいだろう、当たり前だ」

エリアス
「師匠と一緒が安心するのに…」

バルトロマイオス
「なんかそれ俺が頼りないみたいじゃね?」

エリアス
「そ、そういう訳じゃないです!バルトロマイオスさんだって頼りになります!でも…」

レノス
「でも、何だ?」

エリアス
「昔から一緒だからか、師匠が一番安心感があるんです」

バルトロマイオス
「まあ確かに昔っから一緒のやつの側にいると落ち着くのはわかるかな。俺もアリスと一緒にいると落ち着くし」

エリアス
「でしょう!?だからやっぱりバルトロマイオスさんはアリスさんと組んで、ぼくは師匠と…」

レノス
そんなのは理由にならない

エリアス
「そんなぁ…」

レノス
「それに、私はお前といても別に落ち着かないぞ」

エリアス
「えぇっ!本当ですかそれ!?」

レノス
「ああ、事実だ」

エリアス
「な、なんでですか?」

レノス
「お前が小さなことでよく騒いだりすることが多いから安心する暇もない」

エリアス
「す、すいません…」

レノス
「しかも夜は暗くて怖い、幽霊が出るかもしれない、一人で用を足しにいけない…そんなことばかりだしな」

エリアス
「うぅっ…」(落ち込み)

レノス
「……まあ、それも嫌というわけではないがな」

エリアス
「ほ、本当ですか?」

レノス
「私は嘘をつかない」

エリアス
「えっ、すでにその台詞が嘘にまみれてるじゃないですか」

レノス
「………お前な、今のは「師匠っ…」と私のかっこよさを再認識するべきだろう」

エリアス
「あっ、すいません…あまりにもキメ顔で嘘を言うものだからびっくりして」

レノス
「まあいい、とりあえずお前はバルトロマイオスと寝床や焚き火の用意をしっかりとするんだぞ」

エリアス
「はいっ!」

レノス
「二人ともすまないな、待たせてしまった」

バルトロマイオス
「いやいや、大丈夫」

アリス
「問題ない」

レノス
「そうか、ならよかった」

バルトロマイオス
「しかし仲がいいなあんたら」

レノス
「そうか?これぐらい普通だろう」





▼オマケ

バルトロマイオス
「アリスー」

アリス
「…どうした」

バルトロマイオス
「お前は俺と一緒にいると落ち着いたりとかすんの?」

アリス
「………」

バルトロマイオス
「いや、何も無いなら無いでいいんだけどな。お前にそういう感覚があるともあんまり思ってないし」

アリス
「…フタポズィ」

バルトロマイオス
「へ?なんて?」

アリス
「フタポズィを…思い出す」

バルトロマイオス
「えっ、実家に帰りたくなるってこと?」

アリス
「いや、漁港で採れるワカメを食べたくなる」

バルトロマイオス
「てめぇ…」
 




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