「やっぱ悲しいことがあったんだね……」

町の人たちが言うことをまとめると、前王妃が亡くなり王様が立ち直れないことで国全体がこんなことになってる……らしい。


「王妃様が亡くなったのはもう2年前のことだっていうのに何なのよもう!」

ゼシカの言うこともわかる。
こんな生活が2年も続いてるなんて私が国民だったら耐えられないな……。


「とりあえず一旦宿に戻りましょうか?」
「そうだね」





「あっ、りな、ゼシカ。おかえり」
「早かったんだねエイト。どうだった?」

すでに戻ってきていたエイトたちと情報を報告し合う。

「キラとかいう人に頼まれごとされてよ……」

「どんな?」

「川沿いの民家のおばあさんにおとぎ話を聞いてきてくれ、っていう……」

「おとぎ話?なんで?」

「王様の件は知っていやすか?」


知ってるけど、とゼシカが続く。


「王妃様が亡くなって悲しんでる王様がまた王妃様に会えたら立ち直れるかもしれないってことね」
「それで願いを叶うっていうおとぎ話を聞きに行くってことか」

「そういうことだね。まだ夜にはならないし今から行く?」
「うん!」

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