ルーラで川沿いの教会まで飛ぶと橋のすぐ向こうに民家が見えた。





「おじゃましまーす……」
「あらまぁ。旅の方かい?どうかしました?」

出迎えてくれたのは優しそうなおばあさん。


「願いが叶うっていうおとぎ話を聞きたいんですが……」
「その昔話ならこの家の前を流れる川の上流の不思議な丘の話ですねえ」

「その話を詳しく!」
「満月の夜に一晩あの丘の上でじーっと待ってると不思議な世界への扉が開くといいますがねえ」


「満月の晩に一晩待ってたら扉が開く……」
「すごいねそれっ!」
「えっ……おとぎ話だぜ?信じるのか?」
「いいじゃない。丘の上で満月なんて素敵よね」

おとぎ話に胸を膨らませる私とゼシカに呆れるククール。

「いや、でも流石に行かないよな」
「兄貴が行くならいきやす」
「行こっか」
「やったー!」


いってらっしゃいと手を振ってくれたおばあさんに笑顔で挨拶して民家を出た。


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