潮の香りが漂う。正に港町。
夜だからか人は少ないけど、所々お店のようなところには灯りがついている。
……というか、そんなことより先ず思ったのは。
町の人たちの服装がおかしい。
いや、私の服装が?
明らかに浮いている。


とりあえず服が欲しい。
暗くてよく見えないかもしれないけど……恥ずかしい!

見た限り一番大きそうな店の前に立つ。
今度こそ大事なことを忘れている気がする。

「お金……ない」

持っていたバッグはいつの間にかなくなってるし、あってもお金は大して入っていない。

困った……

ため息をつきながらポケットに手を突っ込んだ瞬間。

ジャラッ

え!?

「何かいっぱい入ってるし!?」

上着のポケットには見たことないコインやら紙幣やら結構な量が入っていた。なんで気付かなかったんだ。この世界のお金なのかな?
漫画のように都合良い展開な気がするけど、まあとにかくこういうのはあの光のおかげなんだろう。



店でそれっぽい服を買った。
店員さんの「何だこいつコスプレか?変な格好しやがって」とでも言うかのような視線が気になった気がしないでもないけど、ひとまず安心かな。
装備するかい?って聞かれたからお願いしたら店員さんが装備させてくれた。なんなんだこの世界!

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