【201-210】

発掘された一つのオルタナティブ

きっと貴方は最期まで気付かないのでせうね

山彦に愛を告白してみたけれど、(答えは返って来なかった)

うみは そらに ゆめをみる

偶然か必然か、或いは、(運命、とでも言うのが相応しいのか)

周囲に有刺鉄線を張り巡らせて全てを拒絶した新月の夜

無味無臭血液

野薊の咲く川土手に座り(今日もあなたを待っています)

ツァラトゥストラはその日神の死を宣言した

他の何も目に入らない位に(お前だけを見ていたかった)


【211-220】

何時か月の欠片が降って来ると信じていた少女時代

君しか見えない、から(他の人間なんて必要無いんだ)

死にたがりパンデミック

気障な台詞を吐く前に、口付けの一つでもしたらどうなのかしら(どうせ出来ないのでしょうけど)

三回、回って愛を誓え!

嗜虐的だと罵られても構いはしないよ

無期限モラトリアム

死が生を追い抜いたその時に

その身体を鎖で縛り付けて、ずっと傍に置いておきたい(それは何とも奇妙なプロポーズ)

好きだから、という理由だけでは不十分でしょうか


【221-230】

仮定的要素について何時までも考えを巡らす事こそ非合理である

ゆうやけにとおくひびくこえ

科学で人間という存在の意義を見出そうだなんて(馬鹿らしいにも程が有る)

トワイライトの末期に寄せて

いっそ力ずくで奪ってしまえたなら、(こんな想いも抱かなかっただろうに)

名も知らぬ花を引き千切って握り潰す事の罪

世間一般論なんて気にするなよ

椿が無残に散る様に、ぼとり、と

ユビキタス社会に反旗を翻して孤独を謳った

賢者の石を叩き割ってみせてやる等と(戯言ばかり言うのは止せ)


【231-240】

輪廻とはつまり、始まりと終わりが繋がっているというこの世の万物における基本原理を象徴しているのだ

降り注ぐ星々に身を焼かれたロマンチスト(所詮、現実なんてそんなものさ)

なあ、お前は何故そんな哀しそうに笑うんだい

いきている、とひとことだけ

あの子は俺を知らないだろうけれど、それでも愛していると想うのは、(可笑しいと他人に笑われるだろうか)

ヒュブリスを以てモイライに反逆したらしい人間

君が余りに清らかな色を身にまとっていたから、一瞬触れるのを躊躇った(僕の手は、どうしようもなく穢れていたんだ)

底無しの闇に堕落しても尚、光を求めた

首筋に刃を突き付けられているにも拘らず(彼女は柔らかく微笑んだ)

シャワールームにて、衝突


【241-250】

冷たい床に背を押し付けて、そして、

もし俺が死んだら、アンタは俺という存在が確かに在ったと証明してくれるか

紅涙に沈みながら帰らぬ人の名を叫び続けた

モンテーニュの懐疑的命題を蹴飛ばして高く笑った(私は何を知るか、だって?下らない)

程度の低い尊属殺人

少し力を入れただけで折れそうな君の、

たとえ二度と後戻り出来ないのだとしても(共に歩んで行きたかった)

そんなに私が憎いなら、首筋に口付ける振りして喉笛を食い千切れば良いじゃないの

恋愛に色が有るとしたら、それはもう滾る血の様に情熱的な、

重い重い愛で圧死させて欲しいのだと呟いた君の望み通り(押し潰してやろうじゃないか)



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