【251-260】

渦巻くのはブラックコーヒーよりもずっと苦い感情

途切れた隣人愛

その言葉を胸に秘めたまま(ずるいわ!教えてくれると言ったじゃないの)

日常という幸せが愛しかった、のは昔の話

とんだソフィスト様だこと、

広い意味では好きと言えなくもない(かも、しれない)

沈黙はただ切なく訴えかける

風に乗って届いた声は幻聴だろうか(それでも、応えずにはいられなかった)

深海に溶けたスイサイド・ノート

喉掻き切って飲み干せよ


【261-270】

お前の様な男にはダッチワイフが似合いさ

あまりてなどか

立ち止まるな振り向くな、なんて(貴方は最後まで勝手な人なのね)

異常なまでに乱暴でも心地良く感じるのは何故か

パラソル片手に地上五十メートルの高さから飛び降りた

嗚呼、愛しき吾が汝妹の命を

俺に犯られるか、殺られるか(さあ、どちらが良いか選べよ)

ヘテロドキシーの集合体

人間の驕りを受け止めるのもまた人間である(結局、巡り巡って返って来るのだ)

桜の枝を手折れば即ち罰を賜ふ


【271-280】

目前に広がる純白に想いを馳せる(やっぱり君はもう、)

お前は俺を通して一体何を見ているのだ

仮想現実に堕ちたリアリスト

君と僕とは決して交わる事が無い(宛ら反比例の双曲線の様に、ね)

どうやらアガペーとやらを授かる事は出来なかったらしい

生憎、境界線を踏み越える勇気は持ち合わせていないのです

レピドライトの失踪

恋と呼称するには余りに陳腐な、

死んだ様に眠り眠る様に死ぬ

どうか、痛みよりももっと鮮烈な感覚を与えて下さい


【281-290】

飽いたのだよ、全てに

生まれ落ちた劣情に両手を幾度と無く振り上げて

突然のヒステリック(彼女には躁鬱の気が有るらしい)

恨むなら己を恨めとそんなありきたりな台詞で君の生を奪った

三つ四つに割れたクンツァイトが慟哭

ことばにならないできない、けれど

天国は快適ですか(君が居ないこの世はまるで地獄です)

とある尼さん曰く、海底にも都が在るそうだよ(ねえ君、一緒に逝ってみないか)

寂寥たる夜は予想外に優しく、

冷たくも温かい村雨に身を打たれながら、遠くのあの人を想う


【291-300】

一人で死ぬのは怖いから、君を連れて逝こうかなあ

貴方に全てを捧げると、あの時誓った筈だった(でも、もう何も残ってないの)

真綿から突き出た針先

一つになる方法等腐る程有るだろうよ

愛してる愛してると繰り返す彼女の瞳は虚ろで、

たった二文字の愛さえ伝え切れない(すき、が足りない)

一瞬のライムライト

もう過去形でしかないけれど(僕は確かに君を愛していたんだ)

君がうっとりと陶酔し切った声で呼ぶ名は、この世の誰のものでもなく

黙らないなら黙らせるまでだ



next