第二話 ボブ、再会

やぁ!
ボブ僕。
今日はホストファミリーの鈴木さんに自転車を貰ったから爽快に土手を走っているよ!



ボブは、チリンチリンとベルを鳴らしながら、風を気持ちよさそうに受けて自転車をこいでいた。
すると、一軒の家の庭に見慣れたモヒカンを見つけた。

ジェニファーだ。

ジェニファーは、ボブのアメリカ時代の友達で、よくサムと三人で連んでいた。
ジェニファーという名前から、女性を連想させるだろうが、立派な男性だ。

ジェニファーはボブをみとめると、ぱっと笑顔を見せた。

「よぉボブ、苺くうか?」

ジェニファーは苺を摘んでいるところだった。
彼は苺作りの名人で、彼の庭には一年中赤い実が生っていた。

「苺。くうか?くうよな。ほら、食え!」
間髪いれず、ジェニファーはそう言うと苺がどっさり入った籠を差し出した。
ボブはジェニファーの苺が大好きだった。
よだれが垂れそうなのをこらえ、籠に手を伸ばした。
そのとき、

バッ

と黒い影が目の前を横ぎった。
籠から苺が全て無くなっている。

「ん!?」

ボブが反応するよりはやく、ジェニファーが声を上げた。
ボブは、大きな目に大粒の涙を浮かべていた。

「誰だ貴様は!!」

黒い影はゆっくりと振り返り…

「俺だよ!!」

口を真っ赤にさせたサムだった。


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