『なるほど、空閑遊真か』
遠征から帰還すると、紫苑はすぐさまボーダー内の情報を
三雲修
空閑遊真
イレギュラーゲート
改良型ラッド一斉駆除
三輪隊と空閑遊真の戦闘
空閑遊真の玉狛に入隊
それで、城戸司令は空閑遊真の
ボーダーは3つの派閥で成り立っていた。
1つ目は
これが
嵐山「紫苑、おかえり」
佐鳥「ししょ〜〜!」
木虎「お、おおおお帰りなさい!紫苑せんぱいっ!」
時枝「お帰りなさい、紫苑さん」
抱きついてくる佐鳥を受け止めつつ、紫苑は「ただいま」と返す。頭を遠慮なく撫でてくるのは、嵐山の大きくて温かい手だ。心を読まれるかもしれないのに紫苑に触れてくれる人間はボーダーにはたくさんいるが、この2人はかなりの上位にいる。
嵐山「今回の任務の件、聞いてるか?」
『まだだけど、着いてからだいぶ覗かせてもらったから大丈夫』
時枝「紫苑さんの
木虎「(本当に便利よね)」
『嵐山隊は悠一に着くんでしょ?』
嵐山「ああ!忍田本部長の命でな!紫苑も指示されてるんじゃないのか?」
『まあね。遠征前に悠一の味方するからとは言ってあるんだけど』
佐鳥「あ〜、また2人で企んでるんでしょ!?」
本部と支部のパワーバランスが崩れることを別としても“
佐鳥「迅さんや出水先輩ばかりずるいですよぉ〜」
木虎「紫苑先輩の弟子っていうだけで、佐鳥先輩もずるいと思いますけど」
嵐山「紫苑はモテモテだな!」
『いや、准くんに言われたくないけどね…これ終わったらご飯行こうか!』
時枝「いいですね。」
夜の暗闇に紛れ、城戸派である太刀川隊・風間隊・三輪隊・冬島隊の当真の混成チームはにて待ち構えていた迅悠一と相反する。何を言っても引かない迅に風間はイラつきを感じていた。三輪は眉間のシワが17歳で取れなくなりそうなぐらい寄せている。
迅「"俺一人だったら"の話だけど」
風間「なに……!?」
放棄された民家の屋根に現れたのは、嵐山隊だ。真っ赤な隊服は、夜でも目立っていた。隊長の嵐山、時枝、木虎が揃っている。狙撃手の佐鳥はバックワームで隠れているようだ。
嵐山「嵐山隊現着した 忍田本部長の命により玉狛支部に加勢する!」
太刀川「忍田本部長派と手を組んだのか……!」
太刀川の頭の中には兄弟子である紫苑のことが頭によぎる。忍田本部長が嵐山隊のみを使うだろうか。己の腹心である星野紫苑を使わないことがあるのだろうか。紫苑は遠征から帰還後すぐに己が通っている夢ノ咲学院に通学した。新しくアルバムを出すことになったから通学しなければならないと嬉しそうに笑っていた。
迅「嵐山たちがいれば、はっきり言ってこっちが勝つよ。おれの
おれだって別に本部とケンカしたいわけじゃない。
退いてくれるとうれしいんだけどな、太刀川さん。」
太刀川「なるほど"未来視"の
ここまで本気のお前は久々に見るな お前の予知を覆したくなった」
迅「やれやれ そう言うだろうなと思ったよ」
ガンッ
ーーーーートリオン供給器官破損、
太刀川「はっ?」
古寺「奈良坂先輩っ」
迅の言葉と同時に三輪隊の狙撃手奈良坂透が
トリオン器官ど真ん中を射撃する変態は忍田派では思い当たるのは一人だった。
風間「三上、距離は?」
三上「〈推定ですが、約800mです〉」
三輪「紫苑さんかっ、」
迅「おっ、タイミングぴったりだな」
『おー、どんぴしゃ』
出水「げっ、ししょーいるの?」
当真「今回はノーマルトリガーで
風間「
太刀川「いや、
紫苑はノーマルトリガーと
『まあ、あとは公平を落とせば仕事はしたかな〜』
迅「〈いいんだよ、風間さんと太刀川さん落としても、よっと〉」
『え〜、あの人たちなんでか僕の射線読めるからなぁ』
嵐山隊と太刀川と風間隊の攻撃を躱しながら、紫苑と通信する。
一方、紫苑は狙撃手の基本である"一度打ったら狙撃場所を変える"を実行する。グラスホッパーで飛ぶ。方角だけはバレてるから、次はガードされそうだ。
嵐山「〈紫苑と風間さんは同じ隊だったし、太刀川さんは弟弟子だからか?〉」
迅「〈同じ種族だからじゃない?〉」
『どう言う意味かなぁ?』
迅「〈そういう意味だよ〉」
風間「玉狛と忍田派が手を結んだということは
三輪「わかってます、風間さん」
迅「〈紫苑はどうする?嵐山の方についてもいいぞ〉」
『ん〜、そうだなぁ。どうやらこっちに送り込んでこないみたいだし、落としやすそうな奴から落としていこうかな。』
迅「〈お前それ、ただ自分の弟子たち落としたいだけだろ〉」
『え、ばれた?』
佐鳥「〈佐鳥のことは落とさないでくださいよ!?〉」
木虎「〈なんで、味方落とすと思ったんですか…〉」
「ししょーならやりかねない!!!」と叫んで反論する佐鳥に、『僕どう思われてるわけ…』と呟いた。
風間「紫苑はどうする。あいつの
三輪「(
紫苑の
自身の体表面を接触させることにより、人間や物体から現在の情報を読み取ることができる能力である。紫苑はトリオン体越しに地面を伝い、誰がどこにいるかまでならわかる。
太刀川「紫苑のことだ。自分の弟子ばっか落とそうとするだろうな」
出水「げっ」
太刀川「とりあえず、来る方向さえわかってれば
風間「適当すぎるだろ。あいつは
太刀川「いいんだよ、紫苑は変なところ抜けてるから
『あ…』