「世界は空から丸見えで」



俺たち6年は組には、忍術学園忍たまのお約束である「あほのは組」というのがある。
は組はあほが集まるクラスというのなんだが、それを完全無視したクラスメイトがいる。

その名も星野紫苑。

学級委員長委員会委員長、つまり俺たち六年は組の学級委員長であり、学級委員会の委員長も務めている。学級委員会の顧問であらせられる学園長先生の直属の生徒で、その実力も学園一優秀であり、先生方も信頼するほどである。
なぜ、紫苑がは組にいるのか。それは、、
 
『入学でのクラス分けは入学金を納めた順。編入や転入は、その生徒の能力に応じて学年やクラスが分けられる。』
食満「紫苑!俺のセリフをとるな!」
『ふふ、ごめん…留三郎があまりにも真剣に僕のことを紹介しているから。』

これが星野紫苑。俺たちの学級委員長である。優しくて面倒みが良くて、何よりも顔が良い。柔らかな白い肌や艶やかな黒髪、折れてしまいそうな細い腕、なによりも顔の造形が美しい。
 
『留三郎にそう言われると嬉しいなぁ。』
食満「ん?なぜだ?」
『君はとてもイケメンだからね。食満留三郎、イケメンでケマメンと呼ばれていると聞いたよ。」
食満「はぁ!?なんだそれは…誰から聞いた?」
『え?仙蔵だけど?』

立花仙蔵は六年い組、作法委員会委員長である。さらさらのストレートヘアの燃える戦国作法と謳われる同級生である。

食満「それこそ、あいつに言われてもだなぁ…それよりも!」
『それよりも?』
食満「紫苑、お前がは組なのかという話だ!」
『ああ、僕はもともと忍術学園に住んでいて誰よりも入学が速いはずなんだけど、』
食満「だけど?」
『入学式前日にあのたぬきじじいに任務を与えられてね。しかも三日かかるし、それが遂行できないと入学は認めないと言われたんだ。』
食満「いや…まて、学園長のことをたぬきじじいと言うな!」

紫苑は学園長に毎回無茶を言われたり、とても面倒な(学園長のわがままな)任務をよく与えられているためか、学園長にだけはあたりが強い。

食満「てか、お前がは組なのは学園長の任務のせいなのか?」
『帰ってきたのギリギリで、入学金出したの伊作の一つ前だったしね。初めて伊作を見たときびっくりしたよ。』

紫苑が言うには、任務を早く切り上げ家路を急いでいたところ、ボロボロになっている伊作と出会ったそうだ。話を聞くと忍術学園に入学すると言っていたため、担いで忍術学園に帰ったのだと言う。あのとき、ボロボロの伊作と妙に疲れていた紫苑が教室に入ってきたときは驚いたが、まさかそんな理由だったとは…。ていうか、伊作は紫苑と出会わなければ忍術学園にすら着いていなかったのではないだろうか。持ち前の不運で…。

『あ、そういえば…』
食満「ん?どうかしたのか?」


『小平太が校庭中に塹壕を掘っているのをみかけたから、留三郎に言おうと思ってきたの忘れてたや。』
食満「んがっっっっっ」
へらぁと笑う紫苑にひっくり返る。

食満「こへいたぁあああああ!
 あれほど塹壕は掘るなといったのに!」
 
じゃあなと紫苑に言って、校庭に向かう。
あれ、そう言えば紫苑の家族の話は聞いたことがないな。
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