男の娘になりたくて 2

俺がこうなった直接の原因は、間違いなく俺の三人の姉貴にある。
俺の姉貴達は俺より三つ上で、実は三つ子の姉妹だったりするんだけど。

『ねえねえ、見て見て。桃子、撫子』
『何よ桜子…って、卯月(ゆづき)?』
『うっそ可愛い!』
『でしょでしょ。超似合うよね!』

有りがちだけど俺は物心がついた頃から、姉貴達の着せ替え人形だった。

『また着るの?』
『何よ、嫌なの?』
『いや…じゃない』
『そうよねー。ゆずは私達の可愛い妹だもんねー』
『違うよ、僕。男の子だもん』
『ふふふっ、男の子は男の子でも、コの漢字は子供のコじゃなくて娘だけどね』

姉貴達に逆らえない俺は姉貴達の言いなりで、そのうち、可愛いものが好きになり、気付いた時には女装することも好きになっていた。

『はぁん…エッチなゆずを見てぇ』

特にオナニーする時の女装は最高で、エッチな女の子に成り切ってちんこを擦ればやばいぐらい興奮する。
そのままケツの穴に指を入れたくなったりもするけど、なんだか怖くてそれだけはやらないことに決めている。

ただちょっとだけ不安なのが恋愛で好きになるのは女の子なんだけど、性的に興奮するのは男の裸だったりするんだよね。
男にエッチなことをされている自分に酷く興奮して、けど、それは妄想ん中だけで、実際は女の子相手に童貞を捨てたいと思って…いるはず。
…多分。

その証拠に、別に男に抱かれたいとは思わねえもん。
イケメンにあれこれされてる『ゆず』を想像すると、超興奮するけど。



いろんな人で溢れる夜の街を行く。

「ねえねえ、君。かわぅぃーね!俺とお茶しなぁい?」

勘違い野郎からのナンパを無視して、行く道を急ぐ。
特に行き先は決めてないけど、取りあえずはこれ(ちんぽの腫れ)をどうにかしなきゃ。

いつも利用してるコンビニに行ってもいいけど、明るい場所で間近から顔を見られるのはまずい。
俺はくるりと踵を返し、普段は通らない裏通りに足を向けたのだった。

Bkm
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