*R18・かなり露骨な表現があるので苦手な方はご注意下さい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「君、シズちゃんと寝たんだって?」
 
唐突に投げ掛けられた言葉に、書類を整理していた女の手は止まった。緩やかに、その視線が書面からその声の発生源でありこの部屋の主でもある男の方へと向けられる。
 
「寝た、と言いますと」
「勿論そのまんまの意味じゃないよ、分かりやすく言ってあげると性行為、セックス、交尾。ベッドの上で全裸になった君の身体を散々手やら口やらでいじくりまわされた後にシズちゃんの勃起したペニスを君の愛液に濡れたヴァギナに突っ込まれて激しくピストン運動された末にその膣内へと白濁色の精液を注ぎ込まれたんだよね?って確認を取ってるの、俺は」
 
いっそ清々しい程の声音で何の躊躇もなく男の口から発せられた単語の数々はもはやセクハラで訴えられるレベルだったが、女もまたさして気にした様子もなく答える。
 
「正しくはソファーの上です。それと、完全に衣類を脱ぎ切った訳では無かったので、正確に言えば半裸かと」
「あははっ、ベッドに行くまで我慢出来なかったの?これだから童貞は嫌だなぁ。まぁ良いや、それよりさ」
 
女の意識は既に仕事へと戻り、言葉を区切りその傍へと歩み寄っていく男にはもはや微塵も向いてはいなかった。が、女の傍らに立った男が突然倒れこむように女の肩を掴みソファーへと馬乗りに押し倒した事で、再びその目は男を映した。
 
「何でそういう事するのかな」
 
それは質問ではなく、詰問。男の顔は先程と変わらぬ笑みのはずだが、その声と瞳に熱はない。そして女の瞳にも、また。
 
「静雄の遺伝子が欲しかったからです。静雄の子を孕みたい、宿したい、身籠りたい、そして生みたいと思いました」
「何でシズちゃんなの」
「静雄が強いからです。強い雄の子供を産み、より良い遺伝子を持った子孫を残したいと思うのは動物として当然の事ではありませんか?」
 
女の言葉に迷いは無い。寧ろ男が何故そのような事を聞くのか解らないと言うかのように、僅か首を傾げた。男の口元が歪む。
 
「そこに愛など無いって訳か。倫理観も、シズちゃんへの罪悪感も同情も、君は持ち合わせていない訳だ」
「そんなモノに何の意味があるというのでしょう」
「意味なんて無いさ。そう、君に対してだけは恐らく感情なんてものは全て無意味だ。だから俺も、結果だけを求める事にするよ」
 
言葉を言い終わるよりも前に、男の手は女の短いスカートの中へと滑り込み、下着を剥ぎ取っていた。布の裂ける音にやや遅れるようにして、女の視線は男の下腹部へと向かった。男は手際よく自身のベルトを外し、ズボンのチャックを降ろし、その間からいきり立つ自身のモノを取り出す。そして、微動だにしない女の両足を抱えあげ、湿り気すら帯びていない場所へ無理矢理に押し込んだ。女の表情は、そこで初めて苦痛に歪む。
 
「ははっ、君のそんな顔を見るのはいつ以来だろう。性格は波江以上に氷ついてるけど、やっぱり身体は普通の人間だ。君の中、凄く温かいよ。濡れてないから動くのが大変だけどさ。ねぇ、シズちゃんじゃなくて、俺の子供が出来たらどうする?それでも産む?それ以前に、君に子供を育てるなんて事が出来るとは思えないんだけど。でも大丈夫、俺も責任くらいは取ってあげるよ。あと二、三人増えた所で十分養っていける収入はあるしね。そうしたら結婚でもしようか、君と、俺で」
 
荒い息を吐きながら腰を動かし、興奮気味に語る男とは裏腹に、女はなおも暗く沈んでいた。嬌声一つあげずに男を見つめていた女の唇が、やがて一つの言葉を紡ぐ。
 
「可哀そうな人」
 
男の顔が歪んだ。
 
 

110117
title by ヨルグのために
臨也が言ってるのは静雄のアレ
 
 
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