02:27
 
ふわふわと身体が浮いている様な感覚、心地良い揺れ。まどろむ意識でうっすらと目を開けると、薄暗闇の中、すぐ近くに臨也の顔が見えた。
 
「う、わっ」
「っと、起こしちゃった?ごめんね。でも急に暴れないでくれるかな、落としちゃうから」
「起こしてって、言った!」
「あまりに気持ち良さそうだったから気が引けたんだよ」
「そんな気遣い要らないって、ば」
「もう少しだから、素直に甘えてなよ」
 
昼間のデジャヴかこれは。一日に二度も臨也に運ばれるなんて、何か凄く悔しい。程無くして、寝室らしき部屋のベッドにゆっくりと降ろされた。一瞬放り投げられるんじゃないかと思ったのに、ちょっと拍子抜けだ。
 
「…って、え。臨也どこで寝る気」
「どこでって、これ俺のベッドだよ?俺がここ以外のどこで寝るって言うの?」
「は?臨也と一緒に寝るとか無理、私ソファーで寝る」
「ここからソファーまでは、距離的に無理があるね」
「だから外せよって言ってもどうせ無視するんですよね」
「ちゃんと解ってきたじゃないか」
「うぜぇ、じゃあ私床で良いよ。布団貸して」
「生憎これしか無いんだよね、俺一人暮らしだからさ」
「シーツに包まって寝れば良いじゃん」
「寒いから却下。…別に何もしないって」
「信じられない」
「お互いに出来るだけ端の方で背を向けあって寝れば良いんじゃない?」
「…臨也だけはそうして、私は見張りも兼ねてそっち向くから」
「疑り深いなぁ、俺ってそんなに信用無い?」
「人をこんな状況に陥れた奴がどの口で信用とかほざいてんだ」
「解ったよ、じゃあ俺は向こうを向いて寝るから。一応言っておくけど、蹴落としたりはしないでね」
「ちっ」
「女の子が舌打ちしない。おやすみ」
 
こちらに背を向けて、ベッドに潜り込む臨也。暫く黙って様子を見ていたが、こちらに振り向く様子は無い。私も渋々、出来るだけ距離を置いて横になる。同じベッドで臨也と寝る事になるなんて、今まで考えた事も無かった。っていうか、コイツ以外の誰がこんな状況になる事を予想出来たと言うのだろう。もう眠ったのかは解らないが、臨也の背中は一定のリズムで静かに上下している。細い細いと思っていたが、こうしてよく見ると結構しっかりしている。やはりコイツも男なんだな…とか思った瞬間、風呂場の出来事がフラッシュバックした。うああぁぁ!!消えろ脳内映像!臨也の裸思い出して顔赤くするとか、これじゃあ本当に変態じゃないか私!くそぅ、何で私がこんな目に合わなきゃならないんだ。それもこれも全部この男のせいだ、ちくしょう。先に釘を刺されてしまったが、本当に蹴落としてやろうかこの背中。あー、もう!
 
当分の間全くもって寝れませんでした。
 
next!!
 
 
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