21:54
 
「そういえば何で晩御飯だけ鍋って決めたの?他は何でも良いって感じだったのに」
「別に、急に食べたくなっただけで理由何て無いよ」
「ふーん、まぁ美味しいから良いけど。締めは何が良い?うどんとかラーメンとかお餅とかもあるけど」
「普通に雑炊で良いよ。…それにしても随分色々買ったよね、殆ど使いきれなかったじゃないか」
「明日とかも使えるじゃん」
「それは明日以降も作ってくれるって意味?」
「違ぇよ、波江さんに作って貰えよ。朝も思ったけど、アンタ家に食べ物のストックが無さ過ぎ。生活感の欠片も無いわ」
「あんまり食べ物には拘らないからね、コンビニの弁当とかでも十分だし、一食二食は抜いても平気だしさ」
「だからそんなひょろひょろなんだよ、このもやしっ子め」
「酷いなぁ、これでもそれなりに体力はあるんだけど。そこまで言うなら君が俺の食生活の面倒見てよ」
「は?冗談じゃない。絶対やだ、面倒臭い、なんで私が臨也の為にそこまでしなきゃなんないの意味解んない」
「毎日高級食材が使い放題食べ放題だよ」
「……………い、や、太りそうだから、やっぱやだ」
「今更そんな心配する必要無いと思うけどなぁ」
「おいそれどういう意味だ」
「別に深い意味なんて無いよ」
「うっざ!」
 
「ご馳走様」
「人生の中で一番贅沢なお鍋だった…一緒に食べた相手が臨也ってのが唯一残念な点だけど」
「材料費出したの俺なのに、それはあんまりじゃない?」
「鍋ってもっと大人数でわいわい突くイメージだもん」
「あはは、それって俺に対する遠回しな嫌味?」
「おっとごめん、ぼっち臨也君にはちょっときつかったかな?」
「そういう事言う人は今日お風呂無しね」
「えっ、そ、それは困る!走ったから汗かいたし転んだから砂付いたし…!」
「俺に対する今までの非礼を素直に謝ってくれたら考え直してあげなくもないよ」
「う、ぐぐ……ご、ゴメンナサイ、ワタシガワルカッタデス」
「言い方が凄く気になるところだけど、俺は寛大だからそれで許してあげる。じゃあ、早速風呂にしようか」
「待って、そこで一緒に入るとか言い出したら私はいっそ入れなくて良い、寧ろ入らない方が良い」
「汗臭くて砂埃まみれのままで良いの?」
「我慢する。臨也と入るくらいならその方がマシ」
「それは残念。…でもまぁ、そんな状態で俺のベッドに横になって欲しくもないし、ここは妥協するしかないか」
「っていうか一緒に入る気で居た事に私は今どん引きだよこの変態」
「こういう状況にどう対応するかも一つの観察対象だよ」
「じゃあ片方は外で待機、鎖を伸ばして入るって事で」
「仕方無いからそれで良いよ。君、先に入る?」
「入る!あ、でも着替えどうしよ」
「俺の貸してあげるよ、流石に下着は無理だけど」
「臨也のって、そのVネックとか?」
「これは普段着、貸すのは寝間着」
「あ、うん、それなら良いや」
 
という訳で、お風呂に入る事になりました。
 
next!!
 
 
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