08:02
 
「さて、このままじゃ昼と夜の食事もままならない訳だけど、どうしようか」
「波江さんは?」
「今日は休みにさせた」
「何でこんな日に限って…」
「こんな日だからこそだろ?そうだなぁ、とりあえず買い物にでも行こうか」
「このまま!?」
「当たり前。ちょっとそこのコート取って」
「でたよ臨也コート…他の持ってないの?」
「持ってるよ?丈の長さが違う奴とか秋物冬物春物とか「あ、うん、もう良いや。……てかこれどう着んの」
「簡単だよ、知恵の輪の要領でやれば良い。……ほら」
「は?え、何、今どうやった?」
「君に理解出来るように説明してたら日が暮れそうだなぁ…歩きながら話してあげるから、さっさと行くよ」
「ちょ!引っ張んな!」
 
「まぁ簡単に言えば、そういう細かい所は適当に誤魔化して読んで下さいって事かな」
「世界観ぶち壊しにするような発言は控えてくれませんか」

 
「さて、昼食は何にしようか。さっきのはとても料理とは呼べないよね、折角君の手料理が味わえると思って楽しみにしてたのに、残念だったよ」
「……ねぇ」
「あ、俺夜は鍋が良いな。鍋。寄せ鍋で良いよね、じゃあ必要なのは白菜と長ねぎと「ちょっと」…何?」
 
カートを押しながら、やたらと上機嫌に具材をカートへと放りこんでいた臨也が、これまたニコニコと…いや、ニヤニヤと?した笑顔でようやくこちらへと振り向いた。対する私はドン引きも良いとこだ。手錠で繋がれた手は今のところ周囲の人目には触れて居ない。それもその筈、その手は手錠も鎖も纏めて、臨也のポケットの中へと入れられているからだ。The・手繋ぎinポケット。
 
「何なのこれ」
「こうしていれば手錠の事も上手く誤魔化せるだろ?」
「いやいや、別の意味で注目浴びてるから。周りから凄い視線感じるし、さっきなんて隣でおばさん達が朝っぱらからはしたないだとか聞こえよがしにヒソヒソ話してたから」
「そんなの放っておけば良いよ」
「アンタってホント神経図太いよね」
「俺の?どこが?白昼堂々手錠で繋がってる何て周囲の人間に知られたらどんな目で見られるか解ったもんじゃないから、こうしてわざわざ隠蔽工作なんてしてるのに?驚いたなぁ、どうやら君は見られた方が良いみたいだね。それなら「ちょ!おま、ふざけんな!出すないや出さないで下さい」何?そんなに俺と手を繋いで居たいって?仕方無いなぁ、君がそこまで言うならこのままにしてあげるよ」
「…臨也うざい、マジうざい」
「はは、ありがとう」
 
暫くこのスーパーには来れません。
 
next!!
 
 
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