05:28
 
電話の着信を示す電子音によって、私の安眠は妨害された。寝呆け眼で周囲を見やるも外はまだ薄暗く、ふざけるなこんな時間に誰が何の用だちくしょうとか思いながら、まさぐるように携帯を手元に寄せて耳元へとあてる。
 
「……もしもし」
「やぁ、おはよう。清々しい朝だ(ピッ)
 
朝からイラッとした。もっかい寝よう。そう思って携帯を手放そうとした瞬間、またも着信が入る。画面に表示された名前は折原臨也。切った。そのまま電源まで落としてしまおうかと思ったところでまた着信。通話ボタンを押す。
 
「ちょっと酷「ウゼェ死ね」ちょっ(ピッ)
 
切った直後にまた着信。携帯を逆パカしたいと思ったのは初めてだった。
 
「君の性格は良く理解してるつもりだし昨日新羅達と遅くまで飲んでて寝るのが遅くなった事も知ってるけど、この対応は流石にあんまりだと思うよ。そんな所も含めて愛してあげたいけど、俺だって人間だから傷付く事もあれば機嫌を損ねる事もあるんだよ、ちゃんと解ってる?って言うか聞いてる?もしかして通話状態にしながら放置してるんじゃないよね?………」
 
暫くすると通話が終了された。一人だけでベラベラ喋って居たことに気付いた向こうが切ったらしい。ざまぁみろ。ようやく静かになった為改めて二度寝体制に入ったところでタイミングを見計らったように再び鳴り出した携帯に、ついに私の我慢は限界に達した。
 
「うっざああぁぁぁい!朝っぱらからなんなの!?昨日寝る時間遅かったのどうせ知ってんでしょ!?何、嫌がらせ?わざとやってんの?ふざけないでよもおぉ!静雄に自販機ぶつけてもらってその歪んだ性格治してもらったら!?テレビだって叩けば直るんだからアンタの頭も少しはマシになんじゃないの!」
 
ここまでを一息に吐き出した後も電話の向こうは沈黙している。さっきの仕返しに向こうも通話状態にして携帯を放置してるんだろうか。だとしたらウザイ、超ウザイ。
 
「ちょっと、何とか言ったらどうなの。謝罪以外は聞く気無いけど」
「……あー、今日、と言うか暫く休んで良いから、うん。朝から悪かったね」
 
会社の上司でした。
 
next!!
 
 
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