今のような言い合いは日常茶飯事…
周りからだと兄妹がじゃれ合っているようにも見えるが、あたしと睡兄は本当の兄妹ではない
別々の境遇で育った二人がそれぞれ親を亡くした後、何らかの運命のいたずらで出会った
それから二人はまるで兄妹のように接し合って…
その後七人隊の首領、蛮骨に拾われて今に至っているのだ
それまで睡兄のことずっとお兄ちゃんとして見てた
なのに…
睡「何ボーっとしてんだよ…」
「おわっ!睡兄!?」
いつの間にかボーっとしていたらしく顔の前で手を振っていた睡骨に全く気付かなかった
「睡兄…何?」
何気なく名前を呼んだつもりだったがその時一瞬睡骨の顔が曇った
睡「……その呼び方…」
「え…?」
睡「…いや、何でもねぇ。それより熱でもあんのか?らしくねぇな…」
これでも心配してくれているのだろう、睡骨は名前の顔を覗きこむ
「ちょっ…睡兄、顔近い///」
睡「はぁ?何だよ…別に恥ずかしがることねぇだろ」
赤くなって抵抗しても睡骨はまだ顔を近づけたまま――
「―っ///近いってば!(汗)」
ボスッ
睡「うっっΣ!」
――ガラッ
蛮「おい、睡骨ー?……お?」
部屋の襖を開けた蛮骨の目に映ったのは畳に倒れこんでいる睡骨とその顔面に枕を叩きつける名前の二人――
蛮「ったくおめぇらは…どこまでも仲のいい兄妹だな(笑)」
名前・睡「………(汗)」
睡「それでどうしたんだ、大兄貴…」
蛮「おぉ…煉骨が今度の戦の作戦会議するってよ」
睡「そうか、分かった!」
睡骨はさっきのだるそうな態度が嘘のようにシャキッとして蛮骨についていった
「何よ、バカ兄貴…」
部屋に一人残された名前は誰もいない場所に向かってボソッと呟く
よりによってあんなバカ兄貴に特別な感情を抱く自分が言えた義理ではないけど…
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