『うわぁぁぁん!』

オレンジ色の夕日に染まる空の下。
少女の幼い泣き声が辺りに響く。



見知らぬ場所でただ一人。底なしの不安が襲ってくる。
このままずっと一人なのだろうか…
そう思ったら涙が溢れてきて、名前は一層激しく泣き声をあげた。




しかしその時―
『名前…』

頭上から聞こえた声に涙を溜めて見上げるとそこには優しい兄の姿。


『睡兄…』

『どこ行ってたんだよ!心配したんだぞ!』

『だって……これ…』


そう言う名前の泥がついた手にはしっかりと様々な種類の花が握られていた。


『……はぁ…ったく、お前ってやつは…
ほら帰るぞ!』


兄は呆れた顔をしながらも名前の足についた砂をはらってツカツカと歩き出した。

『うん!…あ…睡兄!』

『あ?』

『ねぇ……手繋ごう?』


手を繋ごう

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