ジャージを貰ってみた(4)




「空、一体どうしたんだ。」

『昨日振りっすね国みー先輩。昨日言ってた届け物、スミレさんにだったんす。昨日は出張だったみたいなんで今日渡しに行ったら捕まっちまいましてー。』

「いやあ、幻の選手がいきなり現れたもんだから。せっかくだから連れて来たのさ!」

「幻の選手?」

「部長、知り合いっスか?」

「ん?ああ。祖父の門下生だ。」

「俺が探してたの、コイツっス。」

「なに?」

『んにゃ?』

「ねえ、相手してよ。空。」


挑発的に笑うリョーマはラケットを差し出してきた。貸してやる、ということだろう。


『…5年振りなんで、お手柔らかにー。』

「ヤダね。全力でいくよ。」

『にゃははっ、手厳しいっすねー。』

「Which?」

『Rough。』


 * * *


「空ちゃん。」

『周ちゃん先輩?』

「昨日は傘ありがとう。コレ、母さんから。」

『おおっ、タルト。大好物なんすよー。嬉しいっす。』

「本当?良かった。」

『お母様によろしく伝えて下さいなー。』

「うん、分かった。」

『国みー先輩、また遊びに来てもいいっすか?』

「勿論だ。部員達も喜ぶ。」

『やっふー。じゃあ次はお相手お願いしますー。』

「ねえ、俺も忘れないでよね。」

『リョマは今日やったじゃないっすかー。みっちりと。』

「引き分けとか煮え切らないじゃん。決着つくまでやるから。」

『まあ、そりゃ同感っすけどー。』

「じゃあ、はいコレ。」

『んにゃ?』

「先約の証。1番に俺と試合してよね。」



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『リョマのジャージ小さいっすねー。』

「袖余らせながら言う台詞じゃないと思うけど。」

『ごもっともー。』







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