準備してみた




『んでは早速準備しましょー。』

ゴソゴソとブレザーのポケットを漁り始めた彼女。取り出したのはそれぞれ不思議な模様が描かれた4枚の紙だった。

『ケン坊先輩方はこの紙を1枚ずつ持って此処で待機してて下さいー。』

「これは…御札なんか?」

『御名答ー。東西南北を守る四聖獣の加護力が込もってるっす。あっという間に四点結界の出来上がりー。』

「四聖獣ってなんやー?」

『青龍、朱雀、玄武、白虎のことっす。』

「へぇー!でもワイだけ紙渡されてないで?」

『四点結界は4人居ればいいんす。金タロには別の役目ー。はいよ。』

「何やコレー?」

『簡単に言えば無線みたいなモノさー。コレを持ってる人同士はテレパシーが使える優れものっす。』

「ホンマか!?」

「凄いわぁ!その数珠!」

『何かあった時のために渡しとくっす。』

待機組の準備が終わる。ボクらはひとまず外に出ましょー、と部室の外へ促された。

バチッ

「な、何や今の音?」

『結界が張られた音っす。ボクらが出ると同時に作用するようにしといたんす。』

「もうそこに結界があるんか。」

「全然見えんばいね。」

『不可視物っすから。ではでは…』

今度はさっきと逆のポケットを漁り始めた彼女。取り出したのは4つのミサンガと小さな水晶玉1つだった。

『このミサンガを腕に付けて下さいー。』

「綺麗なミサンガっスね。」

『白虎と稲荷様の毛で出来てますからー。』

「白虎!?てか稲荷様って!?」

『狐の神様っす。ふわっふわなんすよ。』

「神様!?ふわふわ!?」

「ちょっと落ち着き、謙也。空ちゃん、このミサンガはどんな効果があるんや?」

『邪気を浄化してくれるんす。ほら、ボクも肌身離さず装着中ー。』

「白虎と稲荷様の御加護っちゅー話か!」

『ピンポーン。んで、光さんにはコレも預かってもらいますー。』

「水晶玉もっスか。何で俺に…?」

『4人の中で1番霊力が強いんす。もしもの時に使って下さいー。』



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「もしもの時ってどんな時や?」

『ボクが負けた時っすかね。』

「負ける?」

『ボクが死ぬっていうことっす。』

「なっ!?」

『これから行く場所はそうゆう所なんす。』










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