青春してる学園へ行ってみた『コレを青学に届ければいいんすね?』 「そうじゃ。竜崎スミレという人に話は通してあるからの。」 『依頼、承りましたー。』 「気を付けて行ってくるんじゃぞ。」 * * * 『青春学園、無事到着っと。』 生憎の雨模様。今日はレインコートじゃなくて傘。柄はやっぱり猫っしょ。 『職員室は…おや?』 来客用スリッパをペタペタさせながら校内を歩いてると、見知った顔を見つけた。 『国みーせんぱーい。』 「…虹未来?」 『うぃっす。』 「何故青学に居るんだ。お前は確か立海生の筈じゃ…」 『ちょいと青学の先生にお届け物があって。』 「そうだったか。」 国みー先輩こと手塚国光先輩は、ボクが通う道場の師範のお孫さん。一見近寄り難いけど、ボクのことを何かと気に掛けてくれる優しい人。 「最近、道場に来ていないから心配した。」 『ちょいと忙しくて御無沙汰しちまいましたー。来週からは行けそうっす。』 「では、祖父に伝えておこう。首を長くして待っているからな。」 『はいっす。』 あまり無理をするなよ、と頭を撫でてくれた国みー先輩と別れ、職員室へと急いだ。 --------------------------- 「あれ?なんか嬉しそうだね、手塚。」 「そうか?」 「うん。何かあった?」 「そこで知り合いに会ってな。」 「知り合い?」 「ああ、妹のような存在だ。」 「へえ…(手塚もそんな顔するんだね。)」 |