調べられてみた雲一つ無い青空、そんなある日のこと。 「・・・」 体力テスト、知力検査から次々と明らかになるデータ。殆ど空白だったページが驚愕するしかない値で埋まっていく。 「まさかこれ程とは…」 本来、人間は誰しも特化する部分を持っている。が、その数には限界がある。神は人間が力を持ちすぎるのをよしとしない。その筈なのに、 「力に限界が見えない…」 浮き世離れもいいところだ、呟きながら裏長を見ると、紙飛行機で遊んでいた。 「…次は少し質問をさせてもらう。答えたくない時は黙秘してくれて構わない。」 『いえっさー。』 「まず、何故裏生徒会長になったんだ?」 『えーとですね、裏長を任せられるのはボクだけだと言われたんす。ボクを必要としてくれたのでそれに応えようとー。』 「そうか。では、その制服は裏長用ということか?」 『Yes。他校生と思ったでしょー。』 「ああ。おかげで全国の中学を調べる羽目となった。」 『ワオ、お疲れ様っす。この制服、特注だけあってぴったりだし、動きやすいんすよ。』 「機能性もあるのか。」 『依頼の殆どが体を使うものっすからね。』 「依頼?」 『裏長に任された仕事のことをボクがそう呼んでるっす。部活の助っ人や監督、治安維持などなど。立海に留まらず、全国から依頼が来るんすよ。』 「丸井の弟をカツアゲしていた不良達をねじ伏せたのも依頼というわけか。」 『That's right、その通り。』 「いくら仕事とは言え危険が伴い過ぎる。両親が心配しているのでは…」 『心配ご無用ー。伊達に鍛えてるわけじゃないっす。それに、』 「?」 『親はもう居ませんから。』 --------------------------- だが、空は相変わらずの無表情で、それ以上は何も語らなかった。 |