大阪に来てみた『いやぁ、大阪は賑やかっすね。』 活気溢れる商店街を抜け、目的地に付いたのは予定時刻よりも2時間前。 『…ちょっと寝て待ちましょうか。』 適当な木陰を見つけて寝転ぶ。すると、何処からともなく3匹の猫が現れ、擦り寄ってきた。黒、白、三毛。 『一緒に寝ましょーか。』 《《《ニャー》》》 目を閉じればあとは簡単。猫たちと夢の世界へと旅立った。 「…むぞらしか。」 不意に現れた長身の少年に抱え上げられるのは、その1時間後のこと。 * * * 「ん…?」 「どないした?白石。」 「千歳が居らん。」 「ほんまや。金ちゃーん、千歳見てへん?」 「ワイ知らんでー。」 「一体どこに行ったんや。もうすぐ部活始まるゆうのに…」 ガクリと肩を落とした白石がジャージに着替え終わった時、部室の扉が開いた。 「すまんばいね、遅れとぉ。」 「千歳!どこ行って…え?」 「先輩、何抱えてるんすか?」 「女の子たい。」 「なんでやねん!なんで連れて来てんねん!」 「猫と寝てたけん、連れて来たばい。むぞらしかよ。」 「ちょっと待ちぃ!それ、ゆ、ゆ、誘拐やろ!」 「ホンマやー!ごっつ可愛いで!」 「無視っちゅー話か!?」 「謙也はちょっと落ち着き。金ちゃんもちょっと静かにしててな。千歳、その子と面識は有るんか?」 「無かと。」 「…どないするか…」 『…う、ん…』 「「「!?」」」 『…んにゃ?』 「…可愛い。」 「「(財前がデレた!?)」」 『…此処は、』 「四天宝寺中テニス部の部室っすわ。」 『ワォ、最終目的地に無事到着したってわけですねー。』 「(最終目的地?)名前、教えて貰えます?」 『虹未来空っす、光さん。』 「え、俺の名前…」 『事前に集められるだけ集めるんす、情報。部長の蔵先輩は…』 「部長は自分やけど…」 『ボク、こういう者っす。』 胸ポケットから取り出した名刺を渡す。 「立海大附属中学校裏生徒会長、ってまさか…!」 『依頼、解決しに参りましたー。』 --------------------------- 全国各地何処からでも、どんな依頼でも引き受けると言う立海大附属中学校裏生徒会長。目の前に現れたのは、小柄な女の子だった。 |