探る様に口の中を動いていた今泉の舌は、やがて小野田の舌を絡め取る。
小野田は舌と舌が絡まり合う感触に身震いした。執拗なまでに口腔を嬲られて、次第に頭が痺れた感覚に陥る。

「ふ…ぁ…」

息継ぎもままならない中、僅かに唇が離れれば、甘い声を漏らしていた。
今泉は思うがまま小野田とのキスを堪能して唇を離した。

「長い」

そんな二人の一部始終を見ていた鳴子が一言。たった一言だが、面白くないと感じているのは伝わってくる。
ここで小野田は鳴子に見られていた事に今更気が付いた。小野田はパニックになって、不必要な説明をし始める。

「あ!鳴子くん、こ、これは…その…僕が負けてバツゲームを…」
「鳴子、暇だったら帰ってもいいんだぞ」
「誰が帰るか!小野田くん、もう一回やるで!」

今泉はパニックに陥っている小野田に苦笑しつつ、嫌味全開の言葉を鳴子に送る。
自分の想い人と恋敵がいちゃついている姿を見せつけられて、素直に帰る馬鹿はいないだろう。
鳴子が力強くコントローラーを握って再戦を申し出る。

「え…もう一回?」

鳴子の言葉に小野田は驚きと戸惑いを感じていた。
普通なら喜んでもう一度やる所だけれど、出来ればやりたくない、小野田はそう思っていた。
それなのに今泉までもが鳴子を後押しする事を言う。

「俺はいいけど。小野田も負けたままじゃ悔しいんじゃないか?」
「そ、それはそうだけど」

小野田は酷く弱々しい声で返す。
何故なら身体が次の刺激はまだかと疼き始めていたから。小野田にはその事の方が大問題だった。

「ほな、決まりやな!」

鳴子のその一言で、三人はもう一度ゲームをする事になった。
さっきと同じゲームで同じコース。
小野田にとっては何度もやったコースのはずなのに、頭が熱くボーッとして上手く操作出来ない。
結果、一位は鳴子で二位は今泉、小野田は結局このレースも最下位になってしまった。

「あー、小野田くんの負けや」
「ん…」

鳴子が言う言葉は小野田には半分も届かず、短く言葉を返すしか出来ない。
せめてハンデをなくせばよかったのに、今の小野田にはそれを考える余裕すらなかった。
身体が熱い…どうしよう

「今度はワイが勝ったからワイの番や」

その台詞が何を意味いているか察した小野田は、なんとしてでもキスをしないようにしないと、と焦る。

「まっ、待って!鳴子くん!」
「その…今は…」

今、鳴子くんにも同じ様な事をされたら 絶対にマズイよ…!
この身体の疼きが治まるまでは触って欲しくない。
どうしたら鳴子を止められるかと、小野田は考えて今泉に助けを求める事にした。

「ね、今泉くん、もう一回やってからにしようよ」

上目遣いで今泉を見上げ、なんとか味方につけようとする。
けれども小野田のその作戦も無駄に終わってしまう。今泉は小野田の後ろに回り込み、腰に手を回してがっちりと押さえてきたのだ。

「いや、させないとうるさいぞ。こいつは。大丈夫、俺が支えててやるよ」
「ワイががっついてるみたいに言うなや。まぁ言うけど」
「言うんじゃねぇか」
「じゃ、じゃあ別のゲームにしよう!」
「小野田くん、約束やからな。観念しぃ」

二人の間ではもうバツゲームをする流れになっているようで、しかも今泉が腰に回した手のおかげで、小野田は逃げる事すら出来ない。
 だ、駄目だ…自分でなんとかしないと…!そう思い、小野田はなんとかならないかと別のゲームに誘ってみる。が、そんな提案鳴子が受け入れる訳なく、あっさりと小野田の唇に鳴子の唇が重なる。

「ちょ、や……んっ」

今泉の時と同じ様に舌が小野田の口内を嬲り、息が上がる。
なんでこんな事になったんだっけ?僕がフィギュアを獲られちゃうかもって思って…それで…
今泉の時と同じ様にお互いの舌が絡まり合い、快感となって小野田の身体を廻る.
鳴子にされるがままになっていると、ふいに胸にも刺激が走った。

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