NOVEL GAME γ | ナノ

if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
ボロボロの螺旋階段を登ると部屋が一室あった。
廊下に響く私だけの足音…それが反響して不気味だった。
壊れないわよね?このボロ階段は…うん。一応、平気だった。

「……失礼しちゃいますよ〜?」

その部屋はただ広いだけの空間だった。
変な彫刻ばかりが並べられて、その奥には大きな窓。
そこから見える月は紅く、大きく感じられる。

「……誰もいないみたい」

内心ホッとしながらも部屋の中を散策する。
折角だから素敵な拾い物でもしようかと企みながら。
ホラ、古い屋敷にはお宝が眠っているっていうし…
誰もいないし、誰も見ていないとなれば問題もない。

「はてさて……」

右の棚を調べる
左の棚を調べる





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
右の棚を静かに開けてみる。
すると…大量の虫ならぬコウモリが湧いて出た!
ど、どんな生き物飼ってやがるんだ。この家の主は…!

「ぎゃひ!」
「……寝起きを起こすとはイイ度胸だな」

突然のコウモリの襲撃に思わず悲鳴、そして腰が抜けた。
汚い床についた尻餅。慌てて立とうにも動けない。
コウモリがざわつく中、パチンと指の鳴る音…

「あーあ、目覚め悪いな」
「……何だ、跡部か」
「アーン?」

コウモリに囲まれし跡部。いつも以上に不機嫌そう…
だけど、とりあえずは気にするまでもない。
跡部の存在を無視しつつ、私は左の棚へと移動した。

左の棚を調べる





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
左の棚…そこは見るからに何もなかった。
ただ棚の横に変な彫刻は並べられているけども。

「何もないわね…」
「ああ。いつもなら俺様が調達したワインがあるんだがな」
「別に調達せんと、今…そこにあるやん」

急に響く変なイントネーションに背後を振り返った。
そこには跡部と共に包帯服姿の忍足…やっぱり忍足。
どんなデザイン服だよ、それ。オーダーメイドでしか出来ないわね。

「ああ…意気もいいし、血色も悪くないな」
「ちょいガキやねんけど悪うはないやろ」
「……何よ。それって私のこと?」

笑顔で迫る二人だが…その目は笑っちゃいない。
迷っている暇も余裕もない。どうする?
速攻で決めなきゃ、生死に関わる事態になっちゃうよ!

玄関ホールへと逃げる
連続コンボを喰らわせる





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
左の棚を静かに、こっそりと開けようとして…
突然、ガッシリと何かに掴まれた!力いっぱいに。
何何何?人なんかいなかったから…って、この手は何さ!

「ぎゃひ!」
「そこには何もあれへんで?」

変なイントネーションの声、手の主は…包帯姿の忍足。
気配も何もなく現われて…アンタ、どっから湧いて出たわけ?

「お、忍足……」
「他人の家、ガサ入れはようないやろ」
「別に…ガサ入れしてるわけじゃないわよ」
「ふーん…ほならええけどな?」

握られた手が解放されて、少しだけホッとして忍足を見る。
すると、彼は大きな窓際の方へと移動していた。
こ、これは立派なチャーンス!即座に右の棚へと移動した。

右の棚を調べる





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
背を向けたままの忍足を確認して、右の棚に手を掛ける。
すると…大量の虫ならぬコウモリが湧いて出た!
ど、どんな生き物飼ってやがるんだ。この家の主は…!

「せやからガサ入れしたらアカン言うたのに」

突然のコウモリの襲撃に思わず悲鳴、そして腰が抜けた。
汚い床についた尻餅。慌てて立とうにも動けない。
コウモリがざわつく中、パチンと指の鳴る音…

「……寝起きを起こすとはイイ度胸だな」
「一応言うとくけど、俺は止めたったで?」

コウモリに囲まれし跡部。いつも以上に不機嫌そう…
溜め息混じりに忍足も跡部の傍へ移動して来る。
何だろう…凄く嫌な予感がするんですが。

「お仕置き、だな」

玄関ホールへと逃げる
連続コンボを喰らわせる





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「お、女をナメんじゃねぇ!」

防御はまるで無し、ただ全力で二人に攻撃する。
近くにある物投げつけ、手が触れそうになれば力いっぱい殴る。
攻撃は最大の防御なり。これは本当のことだわ。
先人の教えは本当に役立つものだと感心しちゃうわ。

「お、落ち着けや」
「落ち着いてられるか!」
「わ、わかったから…彫刻振り回すな!」

白旗を振る二人に私は攻撃を止めた。
だけど、武器となる彫刻は握ったまま…護身用として。
ただでさえ汚かった部屋が一層荒れている。

「え、えらい目に遭うたわ…」
「これだから冗談の通じねぇガキは…」
「アンタら悪ふざけするからでしょ!」

玄関ホールへ戻る





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
玄関ホールに戻ると相変わらずピヨシがいた。
ちょっとオールバックが崩れかかっている気がするけど…
これが完全に崩れちゃった日には…そう、キノコになるわけね。

「晩餐の準備が整いました」
「あ…そんな話もあったわね」
「裏庭が会場ですので移動して下さい」

あくまで強制的なのね。ピヨシの言い方悪すぎ。
ここで指導とかしてあげたいけど、続々と移動する客人たち。
その波に呑まれて私も移動させられていく…

「晩餐は立食となっております」
「立ち食いなんかい!」

呼ばれてない晩餐に無理やり参加させられる。
置かれた状況をイマイチ理解出来ていないままに。
流されるがまま、私は裏庭の方向へと移動させられた。

裏庭へ移動する





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
裏庭はバラに囲まれた場所だった。
設置されたテーブルには数々のカボチャ料理が並べられていた。
その時、ようやく今日がハロウィンだと気付く。

「……」

だけど……ちと待ってくれ。
皆、和気藹々とテーブルを囲んじゃいるけどさ…

「カボチャ、だけ?」
「ハロウィンですから」

そう。カボチャしかないテーブルの料理。
私は嫌と言うほどカボチャを堪能させられた…

そして、現実へと戻る鐘の音を聞いた。
けたたましいまでの目覚ましの音。
だけど、私の手にはカボチャのお菓子が握られていた…

★エンディング1/3

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