NOVEL GAME γ | ナノ

if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「コラ!待ちやがれ、ハギィ!」

あまりにも不自然なハギィを追って私は走った。
ピヨシと違ってハギィは脅しが効くし…素直だしね。
ヒソヒソと話していた内容、聞かせてもらうわよ?

「素直に言うこと聞かんかッ!」

玄関ホールをグルッと一周した後、ハギィは奥の部屋へ。
行き止まりを予感させる部屋へと逃げ込むとは…
少し余裕を感じ、私はゆっくりとその奥の部屋へと近づく。
結構、広そうなカンジからして…大広間だろうと思う。

「逃がしゃしないよ…」

半ば独り言を吐いてしまったが、傍には誰もいない。
キノコも私を追ってこないみたいだし…これこそ、ハギィは袋の鼠!
鬼ごっこの勝者になった気分でその扉に手を掛けた。

1F 大広間へ





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「捕まえたぞ!観念しろ、ハギィ……?」

勢いよく扉を開けたものの、そこにはハギィの姿はない。
予想通りの大広間にはテーブルと椅子が並べられているだけ。
隠れられる場所はなく、窓なんかもない。
ベタに暖炉はあるけども…まさか、登りはしないだろう。
私だったら灰で真っ黒になるのはイヤだし。

「あれ?何処へ……うわッ!」
「ウス(驚いたのは俺の方です)」
「か、樺地…」
「ウス…?(樺地…?)」

いきなり背後に立たれたら怖いですよ。
しかも、何その服…跡部の趣味なわけ?
まるでフランケンの怪物みたいですよ。フランケン!
ローセンスも良いトコ!樺地もこんな衣装断ればいいものの…
とりあえずは声を掛けるべきかな…?

服のセンスを指摘する
ハギィの行方を訊く





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「樺地、その服は…」
「ウス?」
「センス悪すぎだよ。跡部…跡部のせいか?」

普段はボーッとしてて文句の一つも言わない樺地。
無表情で何を考えているのかもわからない樺地。
そんな樺地の顔が…徐々に変化して来てる気がする。
あ、あれあれ?何だろう。後ずさりしてしまう自分がいる。

「か、樺地……くん?」
「ばぁーうッ!」
「ヒィッ!」

か、かなり奮起していらっしゃる。樺地が!
私の言い方が悪かったのか?跡部を侮辱したから。
いやいや待てよ。もしや、この服のセンスは樺地自身の…?
もう、ここまでキレちゃってるんだったら話なんか出来ない!
迫り来る樺地から逃げるため、玄関ホールへと逃げた。

玄関ホールへ戻る





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「ねぇ、ハギィは何処行った?」
「……ウス?(ハギィ?)」
「さっき、ココに入って来たでしょ?」

樺地に何とか説明をして、ハギィの居場所を聞き出す。
話によると、この部屋には隠し扉があるらしく、樺地が扉を開くボタンを押した。
暖炉の横、設置された食器棚が動く…なんてベタすぎ。
どうやら隣の部屋へと繋がる道みたい…

「サンキュ、樺地」
「ウス…?(平気ですか…?)」
「え?平気だって。暗いの苦手じゃないし」

何気に心配してくれている樺地をよそに、私はその通路へ。
ハギィめ、よほど隠し事があるとみたわよ…?
灯りのない隣へと繋がる通路の先、そこには一枚の扉。
隙間から光が漏れている…ココにハギィはいる!
覚悟せいや、私から逃げたことを後悔させちゃるわ!

隠し部屋へ突入する





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「見つけたわよ、ハギィ!」

豪快に開けた扉の先は…厨房だった。
目の前のハギィ。だけど、そこにいたのはハギィだけじゃない。
跡部を筆頭に忍足もがっくんもチョタも宍戸もジロも…太郎ちゃんまでいる!

「晩餐の準備、整いましたね」
「ピヨシ…樺地!」

これでフルメンツがこの厨房に揃った。
だけど…何かが変。皆が見ているのが明らかに私…
まさか、まさかだよね?いくら何でも…

「沢山はありませんが、此方を召し上がれ」

ピヨシの放った言葉、それと同時に迫り来る影…で、目が覚めた。
寝汗を沢山掻いて起きた私は、不意にカレンダーを眺める。
10月31日…今日はハロウィン。まさか…ね?

★エンディング2/3

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if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
迫り来る二つの影をどうにか突き飛ばし廊下へ。
玄関ホールへ向かうべく、螺旋階段を駆け下りる。
くねくねしてるモンだから駆け下りづらいにも程があって…
予想通りのオチ。足を踏み外して…いや、違う!

「わッ!」

階段に穴が空いた。ポッカリと。
うまいこと螺旋階段の中心に投げ出されて落下していく…
こんなドリフみたいなネタがあって良いのだろうか?
うーん…よく見てたわね、ドリフのコント。私的には結構――…

「……って、そんなコト思っている場合じゃない!」

徐々に近づく床、ぶち当たったら痛いはず。
ギュッと目を瞑って衝撃に備えて……ドン!バキバキッ!

「う、嘘!そんなんアリですか?」

落下していくのみ





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
ひゅるるるる……ボスン!

「な、何て周到なマットなんでしょう…」

落下先はどうやら、まともな地下室のようだった。
てっきりドブとか下水とか…そんなトコへ落ちるかと思っていたけど。
それにしてもナイスなマット。落ちることを想定していたのね。
とりあえずは出口…と周りを見渡しても階段はない。廊下もない。
ただ、部屋になっているだけでココが何なのかもわからない。
天井に空いた穴までの距離も…結構ある。

「……どうしよう」

と、その時。マットの横に不自然なモノを見つけた。
不気味な洋館、地下室…とくれば、素敵な棺桶ですね。うん。
中を見るか見ないか、開けるか開けないか…どの道、上へは上がれない。
もしかしたら、この中身次第ではどうにでもなるかもしれないんだけど…
しばらく考えた私は…そう、己を信じてこの決断した。

棺桶を開けちゃう
胡散臭いものは触らない





















if...の扉 #10

氷帝学園/眠れるヴァンプ
「うわぁ!」

折角の決断も虚しく、棺桶は独りでに開いた。
頼んでもいない、予期せぬコトに私はただただ驚いた。
棺桶には薔薇を敷き詰められ、中には…おぞましいモノが。

「た、太郎ちゃん!」
「……もう晩餐の時間か?」

ムクリと起き上がった薔薇尽くしの太郎ちゃんに手を掴まれ…
その手の先へと太郎ちゃんの開けられた口が迫ってくる。
少しずつ少しずつ…太郎ちゃんの口が……!

「……イヤすぎじゃあ!」

殴ったか、殴っていないか…とりあえず目が覚めた。
寝汗を掻いて起きた私、何度となく手を洗った。
太郎ちゃんの唾液が付いてそうで…

★エンディング3/3

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氷帝学園/眠れるヴァンプ

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