「コラ!待ちやがれ、ハギィ!」
あまりにも不自然なハギィを追って私は走った。
ピヨシと違ってハギィは脅しが効くし…素直だしね。
ヒソヒソと話していた内容、聞かせてもらうわよ?
「素直に言うこと聞かんかッ!」
玄関ホールをグルッと一周した後、ハギィは奥の部屋へ。
行き止まりを予感させる部屋へと逃げ込むとは…
少し余裕を感じ、私はゆっくりとその奥の部屋へと近づく。
結構、広そうなカンジからして…大広間だろうと思う。
「逃がしゃしないよ…」
半ば独り言を吐いてしまったが、傍には誰もいない。
キノコも私を追ってこないみたいだし…これこそ、ハギィは袋の鼠!
鬼ごっこの勝者になった気分でその扉に手を掛けた。
1F 大広間へ