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結婚式は二人でひっそり挙げたいと無理矢理意見を押し通したのでどうしてもお祝いしたいと願ってくれたみんなの為にパーティーを開くことにしたのです。
「ここ?」
『うん、貸切にしておいた。さてみんなを出迎えよう.....。』
集合時間の10分前にお店の外で二人で並んで待っていたら遠くから何だか騒がしい声が聞こえてきた。あれ?そもそも誰呼んだんだっけ?
『楓ちゃん誰誘った?』
「知らん。センパイに任せておいたから」
『センパイってどのセンパイ?』
「宮城センパイ」
宮城さんかぁ〜。それじゃ確実に湘北の面々は来るだろうな〜なんて思ってたら騒がしさが近付いてきて私たちを指差して大きな声で叫ぶ酔っ払いがいた。
あれ?!
「お前ら〜〜ぁ、俺はなぁみょうじと結婚したくってなぁ.....先生を辞めるって、あのなぁ〜〜よく聞いとけよ一志ぃ〜、」
『藤真先生?!なんでそんなベロンベロンに...!』
誰かと思えば長谷川さんと永野先生に両脇を支えられた藤真先生だ。長谷川さんが必死に謝ってくる。
「ごめんな、藤真がシラフじゃ祝えねぇとか煩くって。今日はせっかく声かけてもらえたのに....」
「とりあえず藤真を置いたら合流するね。」
永野先生は強引に藤真先生を引っ張るとタクシーへ乗り込んだ。
『じゃ、あの二人は後で来るんだね。よし。』
「なんだあのセンセイは」
『......ま、そういうこともあるよ。』
先生、お酒飲みたい気分の時もありますよね。わかりますよ。うんうん。
「おーいなまえちゃ〜ん!」
『あ、宮城さん!三井さん!......あ!』
隣に並んだ綺麗なお姉さんにハッと閃いて「彩子さんですか?!」と問えば「そうよ〜」なんて笑ってくれた。うわぁぁあ!会いたかった.....!
『初めまして!よく楓ちゃんから話聞いてます。すごいお会いしたかったんですよ!』
「あら〜ありがとう。私も会いたかったわよ〜!」
ワーッと盛り上がってるうちに三井さんは「うるせー」だのなんだのイライラし始めて宮城さんに軽くキレられていた。
「いいんだよ、三井さんはほんっと女心がわかんねーな。何歳になっても。」
「うるせーな、宮城だって未だに彩子に振られてばっかりじゃねーか!」
「いいんだよもうそれは!!アヤちゃんはもう俺の憧れなの!天使なの!」
そんなこんなしているうちに「やっほ〜」と声が聞こえて現れたのは仙道さんと......
『んぁっ!沢北栄治!!』
「......あ!!!仙道の友達の友達の.....!」
隣に並んだ沢北栄治はなんでここにいるの?といった雰囲気で私を見ている。
「あれ?流川の知り合いだったの?ていうかなまえちゃんだったよね?全然試合観に来ないじゃん!」
確かに私は試合を観に行っていなかった。だって楓ちゃんが来るなって言うんだもん。公式戦があるたびにファンの子がどれが流川の奥さんだと会場中を探し回っているらしい。怖いよそれ。
『あ〜ははははっ、』
笑ったごまかそうとした時、隣にいた楓ちゃんがスッと前に出てきた。
「人の嫁に馴れ馴れしくするな」
『楓ちゃん.....仮にもチームのセンパイでしょ。』
何故かキレ気味の楓ちゃんに沢北栄治はハッとして私を見てくる。
「えっ.......もしかして、流川の奥さん?!」
「もしかしなくてもそーだ」
「えぇっ....知らなかった.........。」
軽く威嚇気味の楓ちゃんと何故かしょんぼり落ち込んだ沢北さん。
その後ろから歩いてきた大きな体を見て私は全身が震えるほどの感動を覚えた。
『桜木花道!!!』
「んぁっ.....お、おぉ、そうっすけど.....!」
花束片手に歩いてきた赤い頭に近寄れば顔も赤く染めながら「ども」なんて頭を下げてくる。いやぁ!!会いたかった!!これで四天王制覇した!しかもめっちゃイケメン!
『会いたかったです!ものすんっっごい!』
「あ、俺にっすか?!いやぁ〜照れるなぁ〜!」
とりあえず桜木花道の手を掴んで一緒にニコニコ笑っていたら楓ちゃんに首元を掴まれて引きずられた。痛ぁぁあ!!!やめてー!!!
「る、流川貴様!か弱い女性になんてことを!」
「俺の嫁だどあほう」
その一言を聞いて桜木花道はピシャッと凍りついた。そしてその後しばらく動かなかった。
『赤木さんに木暮さんですよね、初めまして。』
「あぁ、結婚おめでとうございます。」
続々と集まってきた楓ちゃんのお友達や先輩たちに順番に挨拶をしてとにかく料理を食べまくる。しばらくして桜木さんは動き出して「流川の奥さんがこんなに可愛くてお若いとは...」と言ってくれた。あはは、ありがとうございます。
「ま、とりあえず乾杯しましょう!」
宮城さんの声にみんながグラス片手に手をあげる。
「なまえちゃん、流川、結婚おめでとう!」
「「 カンパーイ!! 」」
カツン、とあらゆるところでグラス同士がぶつかる音がした。みんなからもらった多大なる愛に私と楓ちゃんは二人で笑った。
最高のおめでとうをキミに。(.....仙道の友達の友達じゃなかったんだ....)
(可愛いなと思ってたのに....ひどいや.....グスッ)
エイジはいつまででも泣き虫でいてくだされ!