その他短編集 | ナノ




C





最近、俺はショックを受けた





「なぁなぁ聞いたか!?あの水無月に好きなヤツがいるらしいぜ!!」


「一体誰なんだろうな、その好きなヤツって」


「案外俺かもよ!?」


「それだけはありえねーって!」





クラスの奴らから発せられる雑音に気分が下降していくのが分かる

アイツに、好きなヤツがいる

別に関係ないはずのことなのに…無性にモヤモヤする

アイツがモテることなんてずっと昔から知っていた

告白されてる場面を見たことだってある

だけど、別に何にも思わなかった

アイツが誰かの告白を受け入れることなんてあるはずない

たぶん、そう根拠のない確信を抱いていたのだと思う

だけど、今ソレが崩された

アイツが、遠くなる

当たり前のように自分のモノだと思っていた場所が、他のヤツのモノになる

どうしようもない焦燥感

別に関係ないはずなのに、どうしてもそう割りきることができない

……こんな感情、フられたアイツにだって感じなかった





『アラタ!』





リカに言われた言葉の意味が、やっと分かった

俺は、アイツのことが───…






[ 29/49 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -