その他短編集 | ナノ




B





最近、私はおかしいと思う





「アオイ、コレ前言ってた本」


『あ、あぁありがとねアラタ!』


「あ、おい!?」





まともにアイツの顔をみることができない

なんだか妙にドキドキしてしまい上手く話すことすらできなくなるのだ

何年も一緒にいたのに…こんなに緊張したことなんて1回もない

愛すべき友人にこのことを相談したら、何故か呆れられた





「自分で気づけっつーの」





分からないから聞いたのに、なんの解決策も考えてくれなかった

いや、本当は分かっているのかもしれない

だけど認めたくないからこうやって分からないフリをしているのかもしれない





「あ、あのアオイさん!俺、えっと…好きです!!」


『……ごめんなさい…』


「…っ」





知らない人からの告白を断るのも毎回のことだからもう慣れている

その気持ちは嬉しいんだけど、ね





「…誰か、その…好きな人がいるの?」


『…………』





すきなひと

何か、が分かったような気がする

だから、ソレを教えてくれた名前も知らない男の子に少し笑ってで答えた





『…うん。いるよ』







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