エアギア短編集 | ナノ




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いつか、こんな日が来るってことは十分に理解してたはずなんだ

今まで当たり前のようにあなたのそばにいたこと…いれたことが奇跡なんだから





「、アオイ…?」


『ごめん…ごめんね、咢』




深く入り込んでしまったのが間違いだった

深く入り込むつもりなんて欠片もなかった

でも…"そこ"は、あまりにも居心地が良すぎたんだよね





「おい、冗談だろ!?」


「アオイっ!!」


『……っ』





咢たちに呼ばれて平静を保てない私がいる

いつから私はこんなに弱くなってしまった?

前の…本当に少しだけ前の私なら、こんな動揺なんてしなかったはずなのに





「テメェ…っ何でテメェが"そっち側"にいるんだよ!答えろアオイ!」


『…っごめん…』


「…ファック!」





ごめん、と謝罪しか言葉が浮かんでこない

謝る必要なんかないはずなのに

私はここで皆を嘲笑わなければいけないのに

騙されてくれてありがとう、と言うはずだったのに





『ごめん…ごめんなさい…!』





最初はただの偵察だった

お兄ちゃんに言われて、小鳥丸の偵察のためだけに皆に近寄った

馬鹿みたいに笑うこの人たちもいつかお兄ちゃんたちに潰されるのだと思うと一種の憐れみの感情さえ浮かんだ

無意味だとしか思えない特訓を見てもなんの感情も浮かばなかった

……最初のうちは





「アオイっ!!」


「何とか言えよ!」


『っごめん…!』





短くない時間を共に過ごしていくうちに、様々な感情が芽生えていった

何とも言い難い…暖かな感情が

彼らを潰されたくないとさえ思った





「なんや〜アオイはなぁんも謝ることないやろ?」





だけど、私はもともと"こっち側"なんだから…別れは必然なんだよね



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