エアギア短編集 | ナノ




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「アオイ、」


滅多に見れないイッキの真剣な顔にも特に反応はしない


『なによ』


雑誌を見ながら適当に返事をかえす

普段はバカでアホでどうしようもないほどの能無しなイッキだが、その顔立ちは決して悪くない

だからこんな真剣な目で自分だけを見つめられたらきっと普通の女の子は

(えー何々この展開ー!?まさか告白!?やーん困っちゃうー!!でもイッキなら…V)

……とかの乙女的なピンクい思考になるんだろうけど

だが残念ながらそんな可愛らしい思考は持ち合わせていない


『金は貸さないし宿題見せてもあげないしエロ本の隠し場所にもなんないから』


「ちげーよ!」


『え、嘘違うの?』


本気で驚いて思わず雑誌から目を離す

いつもイッキからこんな目をして言われるのは金貸せとかだったから違うと言われることを全く想像してなかった


「あ、あんな…その、」


『………』


心底言いにくそうに目を泳がすイッキを珍獣を見る目で凝視してしまう


『……なんかすっごく変なもの食べた?』


賞味期限が1ヶ月ぐらいすぎたナマモノでも食べたのか

そうでなければこんなイッキは説明がつかない

……というかそうだと思いたい



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