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13





その歓声は、違うブロックにまで届いていた


「どうやら…どこかの檻で決着がついたようだ」


そう呟いたのはアキラで、咢は黙って彼を見ている


「この2年で…変わったな。以前はそんなモンつけてなかった」


アキラの手に付けられている鎖――あんなもの、昔はなかった


「フフッ…彼女、"金色"にも驚かれたよ」


"金色"という単語に咢が僅かに反応をしめす

それに気づいていたアキラは、笑みを消して咢を真っすぐに見据える


「…先に言っておこうか。"金色"は咢、お前には渡さない」


「ハッ!それを決めるのはアイツだろーが」


"金色"を縛り付けることは誰にもできやしないだろう

自由そのものである"金色"を縛れるのは、唯一"空の王"ぐらいだろう


「ずっと調律してねぇ王璽でも俺に勝てる…そう言いてぇのか」


王璽に調律は必要不可欠なことは十分理解していたはずなのに、それを放置するなんて普通では考えられない


「俺は"金色"以外の調律者なんていらない……お前だってそうだろ?」


あくまで自分の調律者は"金色"であって――あの日初めて出会った日から、まだ無名だった頃から…王璽を持っていないときから傍にずっといてくれたのは、他でもない"金色"なのだから


「……ケモノはな、進化するのさ」


――お前が退化している間に、俺の牙は比べ物にならぬ程長く進化したのだ


「言われなくてもテメェの牙が長ェのは誰よりもよく知ってるぜ、ファック!…だがな、マンモスもキバオオカミも!その牙の長さゆえに滅んだんだぜ!?」


長ければいいという問題ではない。身の丈にあわない牙は身を滅ぼす


「…おしゃべりはここまでだ咢」


「あぁ…返してもらうぜ、王璽を!」


王璽と、大切な1人の女を賭けて――咢とアキラは同時に動いた



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