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08





――翌朝


「よっ…と。よっしゃ、めっちゃウマそ!」


「あ、違っそれ!タマゴ焼きってもっと薄く焼くの!」


「ねぇってばミソ汁ふいてるふいてる!」


『あ、魚が焦げてる…』


「「「イヤ―ー!!」」」


朝から戦場と化した家庭科室

そこで朱音たち女4人で皆の朝食作りに励んでいた

リンゴと弥生は極普通レベルの出来栄えの料理を作っているが、問題児が1人


「カズ様のためっカズ様のため!」


一心不乱に大量のにんにくをすり潰しているのは、少しばかり不器用な絵美理

彼女のすぐ横には出来損ないの料理が山のようにつまれている

……フォローするわけではないが、別に救いようのないレベルではないのだ、その腕は

ただ、何故かセンスが少しズレてるというか…

今すりおろしているにんにくだって…こんな量、一体誰が食べるというのか…


「朱音ちゃん、行くよー?」


『あぁ、先行ってて』


なんとか完成した朝食を持って3人が部屋から出ていくのを見送った後、よし…と小さく呟く


『やる、か…』


朱音は余った材料でサンドイッチを作っていく

普段あまり料理をしないわりにその腕前はプロ級で、てきぱきとサンドイッチを作っていく

今作ってる分は咢たち用で、朝に弱い彼らはきっと朝ごはんにあるつけないだろうと予想してのことだ(何しろ飢えた狼が何匹もいるのだから)


『よーしっ完成』


軽くランプで包み込み、家庭科室を後にする

しかし着いた教室にはリンゴたちしかおらず、男子は誰もいない


『……みんなは?』


「あ、何かカズくんたちが咢くんを連れてっちゃって…」


「なんか"咢が裏切った"って言ってたけど…」


『…咢が?』


この一件に限っては、そんなことあるわけないというのに…

カズたちが暴走しているなら止めなければならないな、と朱音はサンドイッチを持ったまま咢たちが去った方向へと向かった



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