07
「……なァ咢」
「ンだよ」
休憩しなきゃ死ぬ!とカズがマジな顔で主張したため、ひとまず休憩をとりことになったイッキたち
朱音たちは家庭科室に行っているためここには男しかいない
やる気のなさそうな返事をした咢だったが、次のイッキの言葉に僅かに目を細めた
「"金色"と宇童アキラ、んでお前の関係って何だ?」
「あ、それ俺も気になってた!」
それをきっかけに、カズたちも好き勝手に喋りだす
「やたらとあの2人シンミツな空気だったよな」
「抱き合ってたしね。でも咢と宇童アキラはそうでもなかったし…」
「なんか変なこと言ってたし…"調律"、だっけ?」
「……」
だがそれらを聞いても咢は一言も口を開かない
最初は冗談めかして問うていたカズらも、次第に口調が刺々しくなっていく
「何?僕たちには教えられないってこと?」
「大体オマエが何で俺らにコーチングしてくれるのかもわかんねェし」
「……テメーラにはケンケーねぇよ」
どれだけ言われようと、咢はこの件に関しては何も言うつもりはなかった
王璽のことも、自分たちの関係性も―――
「咢、何も言うことはねぇのか?」
「…」
イッキの問いかけに無言で答える
もっとしつこく聞いてくるかと思われたが、そうか…とだけこぼしあっさりとイッキは引き下がった
イッキ自身すんなりと教えてもらえるとは思っていなかった、という部分が大きい
誰にでも1つや2つ、他人に知られたくないモノがあり、それを無理に壊してまで聞きだすつもりはイッキにはなかった
カズたちもイッキがそう言っている以上深く追求することもできず、渋々ながらも引き下がる
「よし!練習再開すっぞ!!」
「……ファック」
練習を始めた一行とは別に、黙って教室から出ていく咢
それを怪しく感じたカズはこっそり彼の後を尾行する
その先で見たのは、マル風Gメンの男と会ってる咢の姿だった
―――咢、てめェ俺らを裏切ってんのかよ……!?
咢に強い不信感を抱くカズ
色々な思いを抱きながら――夜が、明ける
。
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