silver wolf | ナノ




17



トンッ


「…で?続きをどーぞ。俺の相手をしてくれるんか…?」


あの超エロい声で囁かれているというのに、男たちの顔色は真っ青だ。
だけどその男たちの気持ちはとてもよく分かる。


「別に3Pでもいいぜ?お前らが俺を満足させてくれる自信があるなら、の話だがな」

「ひ…っ」


一番最初にカナタさんに話しかけた男は首元スレスレのところに突きつけられた刀を見て無様に震えている。
それもそうだろう、たった一瞬の間に間合いを詰められ赤黒い不気味な刀を目の前に突きつけられたら俺だったらまず気絶する。
助けてもらった時に見た刀とは違い、こちらはろくに手入れをしてなさそうな刀で、多くの血を浴びてきたことが容易に分かる不吉な刀だ。


「あぁこれ?お前も聞いたことあるだろ?コイツの名前は"白椿(しらつばき)"さ」


赤黒いのにも関わらず名前は"白椿"…


「気をつけろよ?コイツは"紅咲"と違って血が大好物なんだ。触れたが最後…最期の1滴まで搾り取られるぞ?」

「た、助け…っ」

「何言ってんだよ。お前らが先に手ェだしてきたんだぞ?煽った責任はキッチリ耳を揃えて払うのがスジってもんだろ…?」


最高にエロい顔で言われる言葉に男たちはどんどん顔色が悪くなっていく。
もうそろそろカナタさんを止めたほうがいいのだろうか、でもさっきの暴言のことを考えればもっと怖い思いをすればいいとも思うし……
周りで傍観者になって笑っていた奴らも次は自分だと思っているのかさすがにもう笑みは浮かんでいない。
男の首にグッとカナタさんが刀を食いこませた時――


「そこまでにしてくれると嬉しいわ、カナタくん」


ふいに女の人の声が聞こえ、カナタさんの手が止まった

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