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-4 大好きな片割れへ





「…ボス。お願いがあるの」


クローム髑髏─凪はボス─沢田綱吉に話しかける。


「お願い?」


「えぇ…すごく大事なことなの…!!」


「そのお願い、とりあえず聞かせてくれる?」


あのクロームがあって間もない自分にこんなにも必死に頼みこんでくるんだ。それほど真剣なんだと理解したツナはクロームに話を促す。


「…私、事故に遭って骸様に助けられたじゃない?」


その辺りの話しは聞いてるからわかってる。
確か猫を助けるために車にひかれて内蔵と目をやられたんだ。


「そのときすら、あの人たち─私を産んだ人は無関心だったわ」


あの時のことはずっと忘れられないだろう。
瀕死の娘の前で醜い言い争いをしたあの人たちを──…


「正直骸様には感謝してるわ。色々な意味でね」


命を救ってくれたこと、戦う─人の役にたてる力をくれたこと、仲間に会えたこと、……あの人たちから解放されたこと。


「実はね、私には双子の妹がいるの」


「えぇー!?クロームに双子ー!?」


ツナはすごく驚いた。それもそうだ。クロームはそんなこと一言も言わなかったのだから。


「お願い、ボス!あの子を、亜希を探すのを手伝って…!!」


「…?居場所わかんないの?」


「…亜希は、あの人たちに"異常な程の関心"を寄せられてるの。」


私の"異常な程の無関心"とは全く反対なんだけど、すごく似てること


「昔から、亜希には自由はなかったわ。友達を作る自由も、遊ぶ自由も、何もかもなかった」


すべて、あの人たちが亜希を縛りつけていた


「それでも、亜希はすごくいい子だったわ」


ツナは黙ってクロームの、いや凪の話を聞いていた

2人しかいない部屋は、すごく静かだった。

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