Not Found | ナノ
-4 大好きな片割れへ
「…ボス。お願いがあるの」
クローム髑髏─凪はボス─沢田綱吉に話しかける。
「お願い?」
「えぇ…すごく大事なことなの…!!」
「そのお願い、とりあえず聞かせてくれる?」
あのクロームがあって間もない自分にこんなにも必死に頼みこんでくるんだ。それほど真剣なんだと理解したツナはクロームに話を促す。
「…私、事故に遭って骸様に助けられたじゃない?」
その辺りの話しは聞いてるからわかってる。
確か猫を助けるために車にひかれて内蔵と目をやられたんだ。
「そのときすら、あの人たち─私を産んだ人は無関心だったわ」
あの時のことはずっと忘れられないだろう。
瀕死の娘の前で醜い言い争いをしたあの人たちを──…
「正直骸様には感謝してるわ。色々な意味でね」
命を救ってくれたこと、戦う─人の役にたてる力をくれたこと、仲間に会えたこと、……あの人たちから解放されたこと。
「実はね、私には双子の妹がいるの」
「えぇー!?クロームに双子ー!?」
ツナはすごく驚いた。それもそうだ。クロームはそんなこと一言も言わなかったのだから。
「お願い、ボス!あの子を、亜希を探すのを手伝って…!!」
「…?居場所わかんないの?」
「…亜希は、あの人たちに"異常な程の関心"を寄せられてるの。」
私の"異常な程の無関心"とは全く反対なんだけど、すごく似てること
「昔から、亜希には自由はなかったわ。友達を作る自由も、遊ぶ自由も、何もかもなかった」
すべて、あの人たちが亜希を縛りつけていた
「それでも、亜希はすごくいい子だったわ」
ツナは黙ってクロームの、いや凪の話を聞いていた
2人しかいない部屋は、すごく静かだった。
.
[ 2/122 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]