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15





――その日の夜…


……コン


『――ん…?』


夜中に何か音が聞こえてきて目を覚ましてしまった亜希

時計を見るとまだ午前2時だ


コン、コン


また聞こえてきた音は一体どこから聞こえてくるのだろうか…

しかもこんな真夜中に。いい迷惑だとしか言いようがない


コンコン、


『……窓から?』


コンコン


断続的に聞こえてくる音に亜希は首を傾げる

窓から聞こえてはくるのだが…ココは、2階だ

1階では母親(父親は出張中)が寝ているだろうし


『(―――まさか、まさか)』


オバケ…とか?


コンコンコンッ


『!!』


ビクリと体を震わせて窓を凝視する

カチコチと時計の針がすすむ音がとても大きく聞こえる


コンコン コン


焦れたようにどんどん大きくなっていく音にゴクリと唾を飲み込む


『……オバケ、なんて…いないよね…??』


"幽霊"はミヨちゃんみたいに人のカタチをしているから全く怖くない

亜希の頭の中では"オバケ"という定義は人のカタチをしていないものだけに限る


コンコン


その音に後押しされるようにゆっくりと窓に向かって歩いていく


『…………』


ドキドキしながら窓の前に立ち…カーテンをつかむ


コンコンコンッ


今までで一番大きく聞こえた音に一度目をつむり…


ザザーッ


思いっきり勢いよくカーテンをひいた


『………よし』


そして閉じていた目をゆっくりと開けた


『………』


ゆっくりと視線を下に下げていき……目を見開いた



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