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『………』


いつも通り予習をしようと教科書を机の上にだす

"一番"をとるために勉強はいくらしても足りないのだから

1限は…現国だ

担任である越智先生の授業は楽しいから嫌いじゃない

…若干放任主義のような気もするのだが


ガラガラガラッ


「ちーっす」


教室に入ってきたのは、一護


「おはよう!」


…と、織姫


「おーっすイッチッゴー!!」


啓吾が飛びついて…いつも通り軽くあしらわれている


「おはよう一護、井上さん」


そこに水色が啓吾を無視して2人に挨拶するのもいつも通り


『………』


織姫は亜希のほうなどチラリとも見ないでたつきたちのいるほうへ向かっていく

まるで昨日のことなんてなかったかのように…

――いや、きっと織姫にとって昨日のことは大きな出来事ではなかった、ということか




「おはようたつきちゃん!」


「おはよ。…今日は大丈夫みたいね」


「……えへへ」


曖昧に笑って誤魔化す織姫を見てたつきはため息をつく

とりあえず"今日は"怪我らしきものはしてないようだと安心することにしたようだ

そしてチラリと…亜希を見る

教科書をジッと見ている亜希

前まで一緒にツルんでいたが、今はもう喋ってもいない

…親友を傷つけるような奴と友達になった覚えはないのだから


「たつきちゃん?」


不思議そうな織姫の声に我にかえる


「どうしたの?怖い顔して…」


「うぅん。何でもない」


そう?とポヤンと笑う織姫

織姫を傷つける奴は、たとえ亜希だろうと許さない

だから織姫を傷つけた亜希は自分にとっても"敵"だ

――何か違和感を感じたのも、きっと気のせいだ

おかしいことなんて、何もないのだから



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