16
「また世界政府のお役人のようで。追い返ししましょうか」
眼鏡をかけた、たくましい上半身を日光にさらしているその人の名前は、ピープリー・ルルというらしい(カリファさんに小さく紹介された)
パウリーたちと同じく一番ドックの職長の一人のようだ
……というか今、世界政府って…
「ンマーそうだな。いねェと言え」
「じゃあ帰って頂くんで」
元から通す気はないらしく、アイスバーグの言葉にあっさり了承の意をしめしたルルに安心したのだが……
「待ちたまえアイスバーグ君!」
偉そうな言葉と共に、偉そうにこちらに歩いてくる男らを見つけ、素早く後ろを向いてフードを深くかぶりなおす
間違ってもこんなところで政府と面倒事を起こすわけにはいかないのだ
パウリーに促され、3人で物陰に隠れる
「んん〜〜何やら海賊にニオイがするが…ンフフ…まァいい。とにかく貴方とお話を」
偉そうにやってきたのは、名前は知らない世界政府の役人で、真っ直ぐにアイスバーグの元へと歩いていく
「お前嫌い帰れ」
「…まァそう頭を堅くせず…!」
つれない態度(というか完全に拒否体勢)のアイスバーグには慣れているのか、持ってきた"得な話"をするために人目のない場所へと移動していった
その様子を物陰からこっそりと見ていたアリスたちだったが……ふいに、ルフィがケースを軽く持ち上げて呟いた
「ん?」
「何?」
『どうかしたの?』
「軽い……」
軽い?
一憶ベリーもの大金が入っているケースが、軽い??
「じょ、冗談やめてよ!大金が入ってて軽い訳が……」
引きつった笑みを浮かべ、冗談やめてよとばかりにナミが言った、が―――その3秒後、大絶叫した
「ギャ――――――!!」
「いや〜〜〜〜〜っ!!」
『うわ……」
さすがのアリスも言葉を失った
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