09
「いやーよかったな、ウソップ」
「人事か!!俺たちの大金2億ベリーだぞ!!」
「そうよ!だいたい何であんた一番に取り返しに行かないのよっ!」
『もう少しで奪われそうになってたのに…』
方々から非難を浴び、ナミとウソップに両頬を引っ張られながらルフィは何とか言葉を紡ぐ
「だってあのハトが、おれが行くって……」
ゴム人間だから痛みはないだろうが…見ているだけで痛そうだ
「ンマー!悪かった。身内のバカは身内でカタをつけさせてくれ。おめェらにとっ捕まりゃカドが立つからな」
アイスバーグの言葉は確かに正しい。さすが大きな組織のトップに立つ人だと感心する
カリファにも宥められ、ひとまずナミの怒りは収まったようだ、が……ルフィの両頬が伸ばされすぎてヤバいことになっている
思わず笑ってしまいそうになるのを堪え、先ほどお金を奪おうとした人たちのことを思い出す
『にしてもさっきの人たち…一体何だったのかしら…?』
「彼ら、フランキー一家は船の"解体屋"です」
「"解体屋"!?そんな真っ当な職人には見えなかったけど」
ナミの言葉に頷き、カリファは説明を続ける
「えぇ…副業に"賞金稼ぎ"をやってますので。この都市に出入りする海賊たちを見つけては諍いを起こす迷惑な人たちです」
『賞金稼ぎ…』
「この町に来た海賊共を潰せばそいつらの乗ってきた船も手に入るだろ?それを解体して使える木材は売りさばく。これがフランキー一家の商売だ」
餌食になればそれこそ骨も残らないだろう…タチの悪い賞金稼ぎがこの町に居ついているようだ
自分のこの首にはそれこそ莫大な賞金がかかっているから度々賞金稼ぎには狙われていたが、どれも全て返り討ちにしていたから特に危険視はしていない
女だという性別だけで勝手に弱いと判断した賞金稼ぎが多くて大変だったのはよく覚えている
1億を超えた辺りでそれらの数は激減したのだが
「あれは手下共だ。だが裏に控える一家の頭…"フランキー"は甘く見るな」
アイスバーグがその忠告を口にした後、タイミングよくヤガラに乗ってあの2人が戻ってきた
「"連れてきました、アイスバーグさん"」
「耳!!いてェ!」
喋るハトの男と、ロープの男だ
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