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「―――話を戻すぞ。愛結を助け出すには一つ、重要な問題点がある」
「問題…?」
「あぁ……今回の一件は、エクソシストじゃねーと話にならねーってことだ」
リボーンの言葉に、ツナは小さく息をのむ
だが――アクマが絡む戦いに、普通の人間は戦えないということは痛い程分かる
ツナとアレンしか、今回の戦いには参加できない
「そんな…!10代目だけ危険な目に合わせるわけには…!」
思わずといった様子で獄寺が声をもらすが、アクマにダイナマイトが通じなかった事実を思い出し悔しげに口を噤む
こればかりは、努力でどうにかなる問題ではなかった
「……残念ですが、リボーンの言う通りです。アクマに対抗できるのはイノセンスを扱える僕らしかいません」
「今日ここにおまえらを呼んだのは、現状を把握させ、この件に首をつっこむなと忠告するためだ」
リボーンのその言葉に、雲雀は不満げに呟く
「何それ。愛結を助けれるのはそこの白髪と沢田綱吉だけってこと?」
とんだ茶番だよね、と既に興味をなくしたようにさっさと窓から出ていった
「柿ピー、つまらないし俺らもかえろー」
「……ハァ、」
止める間もなく消えた雲雀を皮切りに、大人しくしていた黒曜組も帰るそぶりを見せる
解散ムードが漂い、これ以上ここにいても仕方がない…そんな空気を壊したのは、今まで一言も喋っていない少女だった
「…っ、ま、待って…!」
勇気を振り絞った様子で発したのであろう声は若干震えていたが、必死さの見える声色で皆を呼びとめたのは、クロームだった
目立つことをするタイプではないはずの彼女が声を出したことに驚くが、それ以上に次に発せられた言葉に、皆耳を疑うこととなる
「む、骸様が、まだ話すことがって……」
骸の名に一番大きな反応を示したのは、黒曜の2人だった
「骸さんなんれ言ってるぴょん!!」
「犬、いたいっ、」
力まかせに肩を強く掴まれ、クロームの顔が痛みに歪む
「犬」
千種に名を呼ばれ、渋々手を離すも、その目はクロームを捉えたままだ
。
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