「オールマイトォ!!」

オールマイトが敵に捕まり助けようと、その元凶である黒霧に緑谷は飛び込んでいった。

BOOOM!!

「どっけ!邪魔だ!デク!!」

しかし、それよりも早く爆豪が黒霧に攻撃し、体を押さえ込んだ。

パキパキ

「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」

ザクッ!

「オールマイトを離せ!」

脳無の体が轟の氷で凍っていき、凛がオールマイトの体をつかんでいる腕が緩むよう腕を斬りつけた。

「だあー!!」

切島が死柄木に攻撃する。

「かっちゃん…!皆…!」

緑谷は1人で立ち向かった不安が一気に晴れていくのを感じた。

「平和の象徴はお前たち如き殺られはしない」

凛は、鋭く主犯の死柄木を捉えた。

凛と轟のおかげで、力が緩んだ脳無の拘束からオールマイトは抜け出し、態勢を整えた。

「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる!」

爆豪の言う通り、実体部分はきちんと存在し、モヤで隠しているだけだった。まさしくそこが、黒霧の弱点。

「っと動くな!『怪しい動きをした』と俺が判断したらすぐ爆破する!」

「ヒーローらしからぬ言動だな」

凛は思わず苦笑した。

「攻略された上に全員ほぼ無傷…すごいなぁ最近の子供は…恥ずかしくなってくるぜ。敵連合…!脳無。爆破小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ」

脳無は、氷結されたされた体を物ともせず、体を割ってでも起き上がった。
凛たちは目の前の異常な光景に驚愕した。

「皆下がれ!なんだ!?ショック吸収の個性じゃないのか!?」

オールマイトの言葉に死柄木は嘲笑うように笑った。

「別にそれだけとは言ってないだろう。これは超再生だな。脳無はおまえの100%にも耐えられるよう改造された超高性能サンドバッグ人間さ」

突っ込んで来た脳無は凛たちには反応できないほど早く、爆豪のところまであっという間に突っ込んで攻撃を決め、壁の方向へ吹っ飛ばした。

「かっちゃん!!」

緑谷は叫んだが、爆豪は緑谷の横に座っていた。

「かっちゃん!?よっ避けたの!?すごい…!」

「違ぇよ。黙れカス」

そして敵が吹っ飛ばした方向には、オールマイトがいて、爆豪を庇ったことが一目瞭然だった。

「…加減を知らんのか…。」

「仲間を助けるためさ仕方ないだろ?さっきだって、ホラそこの…あー…地味なやつあいつが俺に思いっきり殴りかかろうとしたぜ?他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー」

死柄木は、その後もヒーローと敵の何が違うと。暴力は暴力しか生まないのだと、オールマイトを殺すことで世に知らしめるなど云々語ったが、凛はどこかその言葉から薄っぺらいものしか感じなかった。

オールマイトも同じだったようで

「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ。嘘つきめ」

「バレルの、早…」

図星だったが、特に問題も何もない死柄木はニタ…と笑みを深くした。

「3対6だ」
「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた…!」
「とんでもねぇ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ…撃退できる!」

やる気を見せる凛たちに、オールマイトが制止の声をあげた。

「ダメだ!逃げなさい」

「…さっきのは俺と八木がサポートに入らなけりゃやばかったでしょう」
「オールマイト血…それに時間だってないはずじゃ…あ…」

「ありがとな!しかし大丈夫!プロの本気を見てなさい!」

オールマイトの様子に限界だと分かっていても、大丈夫だと凛は確信した。

向かって来る敵に切島たちは応戦するしかないと焦ったが凛は、冷静だった。

「皆、大丈夫だ。なぜなら、オールマイトは平和の象徴だからだ」

オールマイトと脳無の真正面からの殴り合いが始まった。
それによって起こる風圧に味方も敵も近づけなかった。

「無効ではなく吸収ならば!限度があるんじゃないのか!?私対策!?私の100%を耐えるなら!さらに上からねじふせよう!ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!敵よこんな言葉を知ってるか!?」



Plus Ultra!!

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