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視界がひらけたと思ったら、目の前に床が迫っていた。
しかし、凛は身軽に体をひねり勢を殺して着地した。
「ここは…」
ボロボロの建物の中だった。
どうやら倒壊ゾーンに飛ばされたらしい。
突然背後から殺気を感じ、避けるとさっきまで自分がいた場所に刃物が刺さっていた。
「ふ〜惜し〜!」
「敵か…!」
臨戦態勢に入ろうとすると
BOOM!!
凛に攻撃した敵が吹き飛ばされた。
「ボサッとすんな!騎士女!」
「無事か!?八木!」
「爆豪!切島!」
凛はすぐに2人のところにより、背中泡に立った。
「どうやらワープのやつに、バラバラに飛ばされたみたいだな」
「ああ。散らしたところを敵たちが数で押すってとこか」
切島の言葉に凛は肯定した。
凛たちの周りには20を超える敵が囲んでいた。
「やるしかないか」
「足手まといになんじゃねぇぞ!」
爆豪の手を爆破しながら駆け出したのを皮切り戦闘を開始した。
―――
「これで全部か。弱ぇな」
そう爆豪の言った通り、鎧に換装するまでもなく、武器だけで乗り切ることができた。
この戦力で乗り込んで来たわりに、自信ありげだったが本当に強いのは広場に残ってるのかと凛は思った。
「っし!早く皆を助けに行こうぜ!俺らがここにいることからして、皆USJ内にいるだろうし!攻撃手段少ねぇ奴らが心配だ」
責任感の強い切島は自分たちが先行したせいで、13号の邪魔になりこんな状況になってしまったと提案したが爆豪はすぐさま一蹴した。
「行きてぇなら1人で行け。俺はあのワープゲートをぶっ殺す!」
「爆豪、私も付き合おう」
凛もすぐに同行することを決めた。
切島はそんな2人に目を見開いた。
「はぁ!!?此の期に及んでそんなカギみてぇな…八木まで…それにあいつに攻撃は…」
「敵の出入り口だからな。逃げられて二度目の襲撃があっては困る。あいつをまず抑えるべきだ」
凛は切島の言葉を遮った。
この行動の重要性を説くように。
「モヤの対策もねぇわけじゃねぇ…!」
BOOM!
「つーか。生徒にあてられたのがこんな三下なら大概大丈夫だろ」
爆豪は背後で息を潜めていた敵を一発で仕留めた。
さすがの反応速度に、私が出るまでもなかったなと凛は武器の換装を解いた。
「つーかそんな冷静な感じだっけ?おめぇ…」
「それは私も思っていた。まぁ戦闘に関しては冷静な方だと思っていたが言動がな」
いつもクソが!や、死ねぇ!しか言っていない爆豪が2人の頭には浮かんでいた。
「俺はいつでも冷静だ!クソ髪やろう!!」
「ああ。そっちだ」
「ふっ」
2人の言葉にカチンと来た爆豪は、すぐにいつも通りの粗暴な言動に戻っていた。
切島はいつも通りの様子にある意味安堵して、凛は思わず笑ってしまった。
「じゃあな。行っちまえ」
「待て待て。ダチを信じる…!男らしいぜ爆豪!ノったよ、おめぇに!」
「急ぐぞ」
3人は広場に急ぐため、倒壊ゾーンを後にした。
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