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翌日、登校中に目の前に歩く緑のモサモサ頭を見つけた。
ずっと話して見たいと思っていた人物だった。
「緑谷。おはよう。指は大丈夫か?」
「おおおおはようっ!だ大丈夫!えっと…」
緑谷は突然話しかけてきた凛に驚きつつ、女子に話しかけられたことで緊張しすぎてしまいすごいどもってしまった。
緑谷が自分の名前がわからないことを凛はすぐに察し、大丈夫だという意味を込めて微笑んだ。
「八木凛だ。よろしく」
「う、うん!よろしく」
そうして、握手した手は温かく彼は優しいヒーローになるんだろうなと凛は頬を緩ませた。
―――
午前中に必修科目を受け、そして午後にはヒーロー科だけが受ける授業・ヒーロー基礎学が始まろうとしていた。
「わーたーしーがー!普通にドアから来た!!」
さすがはNo. 1ヒーロー。
オールマイトの登場に教室中が沸き立った。
銀時代のコスチュームを着て現れたオールマイトを見て、初授業ということもあり、朝からどのコスチュームにするかかなり悩んでたなと小さく笑った。
「早速だが今日はこれ!戦闘訓練!!そしてそいつに伴って…こちら!!入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた…戦闘服!!」
教室の横の壁が稼働して、たくさんのバッグが出てきた。
凛は、早速自分の番号が書かれたバッグを手に取り更衣室に向かった。
早速着てみたはいいものの、あまりの露出の激しさに凛は固まってしまった。
コスチュームは着物のをモチーフにした白と水色のコスチュームでまさか足袋風ロングブーツだからと言ってお尻部分がハイレグになってるとは思わなかった。
普段、制服や個性ならともかく、私服でパンツスタイルしか着ない凛にとっては羞恥心しか湧き上がらなかった。
鎧に換装する事が多いため、武器のみの換装時を考え、動きやすい服、足で剣を持った時に変にならない服しか要望を書かなかった結果だ。もう少し父に相談すればよかったと凛は後悔していた。
そんな中、自分と同じように固まる麗日に気づいた。
「お茶子どうした?」
「要望ちゃんと書けばよかったよ…パツパツスーツんなった」
「お茶子に似合っていてかわいいぞ」
「凛ちゃん…!イケメンすぎる!」
「私もきちんと書いておけばよかったな…。…!!」
しかし、目線をずらした先に見えてきた光景に何も言えなくなってしまった。
そこにいたのは、八百万である。
彼女は脚を全開、胸元全開の露出度激しめの格好をしていたのだ。さらに彼女は、もう少し布が少ないと良かったのですけれど…と言っているではないか。
この瞬間、凛は自分のコスチュームを気にすることをやめた。
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