土方と凛が外に出ると、眼前の光景に唖然とした。ドS沖田がまるで火刑のように禽夜を磔にして焚き火を行なっていた。

「何してんのォォォォォォォ!!お前!!」

「大丈夫 大丈夫。死んでませんぜ。要は護ればいいんでしょ?これで敵おびき出してパパッと一掃。攻めの護りでさァ」

「攻めの護りっていうか、現在進行形で火に迫られてるよね。攻めの攻めよね。」

沖田の理論にさすがサディスティック星の王子様と騒ぎ出しそうな禽夜の口につぎつぎと薪を突っ込む様子に少し胸が空く想いを抱きつつ、ツッコンだ。

「土方さん。俺もあんたと同じでさァ。早い話 真選組にいるのは近藤さんが好きだからでしてねぇ。でも何分あの人ァ、人が良すぎらァ。他人のイイところは見つけるのは得意だが悪いところを見ようとしねぇ。俺や土方さん、そして凛さんみたいな性悪がいてそれで丁度いいんですよ。真選組は。」

沖田のその言葉に土方はわずかに顔を緩めた。

「あー何だか今日は冷え込むな…。薪をもっと炊け。総悟。」

「はいよっ!」

土方が悪ノリし、総悟が火力を増していく様子を見て、凛は笑っていた。

近藤さんのあの人の良さは確かに心配ではある。でもあれが近藤さんの良さであり、変わって欲しくないところだ。私が入ったばかりの頃、浮いていた私を1番気にかけてくれたのは誰でもない、近藤さんだ。彼の率いる真選組だから、こんなにも綺麗な魂が集まっているんだ。そんな魂に私もいつの間にかついて行きたくなっていた。


チュイン!!!


銃声が聞こえ、振り返ると門から堂々と攘夷浪士たちが攻めてきた。

それに凛たちは臨戦態勢をとった。
すると、背後から。

「トシと総悟、凛ちゃんに遅れをとるな!バカガエルを護れェェェェ!!」

近藤さんの掛け声に、真選組はやっぱりそうでなくちゃと凛は思った。

「いくぞォォォォ!!!」

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