その後、銀時たちと今までの仕事の話を聞いたり、起きた定春と遊んだり(人の頭に噛みつくことが多い定春が凛には最初からすごい懐いた事実に銀時と新八は衝撃を受けた)、エリザベスと挨拶をしたりして過ごした。桂は途中、定例会議があると言い、前時代の挨拶をしながらエリザベスと共に去っていった。

そうこうしていると、気づいたら夕方になっていた。

「じゃあ私もそろそろ帰るね。」

「送ってく。」

「私も凛姉送ってくヨ。」

「みんなが行くなら僕も。」

凛が帰宅するということで、万事屋一行は彼女を送るために下に降りた。すると下の階の扉が突然開き、1人の女性が姿を現した。

「銀時じゃないか。たまった家賃さっさと払いな。」

「うっせー!ババア!昨日ちゃんと払ったじゃねーか!」

「それは3ヶ月前の分だろ!残り2ヶ月分の話ししてんだよ!こっちは!リボ払い方式にしてやろうか!」

どうやら、銀時に二階を貸してくれている人物らしい。凛は2人の短い会話からその事実と、兄のダメさ加減を把握し、ため息をついた。

「そっちの娘は…」

凛に気づいた女性は、知らない顔ということで、彼女の方を見ながら尋ねた。

「あ、篠崎凛と言います。いつもうちの愚兄がお世話になっております。」

凛は兄のちゃらんぽらんさに申し訳なく思い、謝罪の意味をこめて頭を下げた。

「あのー凛ちゃん?愚兄?賢兄の間違えじゃなくて?」

凛の言葉に銀時は顔をひきつらせた。その後ろで神楽は新八に聞き慣れない言葉について聞いていた。

「新八 ぐけいって何アルカ?」

「愚兄はね、字そのまま、愚かな兄って意味なんだよ。」

「あー銀ちゃんのことネ。」

「後ろうっせーぞ!」

万事屋一行がコントをしているのを微笑みながら凛が見ていると、女性はどこか納得したような顔をした。

「ああ…あんたが…」

その言葉に凛はよく分からず首をかしげると女性は微笑んだ。

「今から店開けるんだけど、よかったら飲んでいかないかい?」

「あ、いえ、私は」

女性のその言葉に、凛は帰宅途中であったため断ろうとしたが、銀時がそれを遮った。

「おーよかったな。凛。タダ酒、タダ飯だってよ。」

「やったー!ババア!太ももネ!」

「神楽ちゃん。それを言うなら太っ腹ね。」

銀時に続いて神楽と新八までもがもう寄っていく気満々だった。

「勝手タダ飯掻っ食らおうとしてんじゃねーよ!!!…まぁ私があんたと喋りたいんだ。バアさんの願いちょっと聞いてくれないかい?」

彼らの言葉に女性は怒鳴ったが、すぐに凛に優しい表情を浮かべながら誘った。
その女性の言葉に、凛は折れた。

「ぜひ寄らせていただきます。それにせっかくのお誘い無下にしたら女が廃りますしね。」



―――スナックお登勢

「自己紹介がまだだったね。あたしはお登勢、源氏名だけどね。この子はここの従業員のキャサリン」

「ヨロシクナンテスルトオモウナ アバズレ」

女性はお登勢と猫耳をつけた女性はキャサリンと言う。
キャサリンの方は挨拶かどうか怪しいところではあるが、これが彼女なりの挨拶なのだろうと凛は大して気にせず笑顔で応えた。

「改めて篠崎凛です。よろしくお願いします。」

だが、シスコンは黙っていなかった。

「誰がアバズレだぁぁぁあああ!凛のどこを見たらそう見える?!こんなどこからどう見ても純真無垢天使ゴフッ」

「恥ずかしいからやめて。」

凛は熱弁する銀時の脇腹を勢いよく肘打ちした。

すると、店の扉が開き新たな客が入ってきた。サングラスをかけた男性である。

「あ!今日銀さんいるじゃん!久しぶり!」

「おー長谷川さん」

銀時の知り合いのようだ。

長谷川さん?どっかで聞いたことあるような…あ、マダオの。と凛が思い出していると、長谷川と目があった。

「ん?そちらの別嬪さんは?」

「俺の妹」

「はじめまして。篠崎凛です。義理ですが銀ちゃんの妹です。」

長谷川の疑問に銀時と凛が答えると、長谷川はテーブルに突っ伏せて何度も叩き、嘆き始めた。

「銀さんにこんな別嬪さんの妹いたの?!勝ち組かよー!やってらんねーよぉぉおお!」

その後きちんと話をし、男の名前が長谷川康三であるとわかった。以前は入国管理局に勤めていたが訳あって、今は無職らしい。彼の身の上話を聞いていたら、凛ちゃん優しいね。と言われ、また泣かれた。

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