09




「ただいま」
「今週もお疲れ様」

いつもの様に駅まで迎えに来てくれたカカシと、手を繋いで帰路につく。心の底に気がかりはあるものの、結局いつもの仲良しでバカップルの日常を送っていた。

「はあ、疲れた。明日から三連休だー!」
「今週も頑張ったね」
「カカシほどじゃないよ」

カカシが名前の頭をポンポンと優しく撫でた。風が2人の間を吹き抜ける。いつの間にか、寒さが風の奥に感じるようになってきた。

「寒くなってきたねえ」
「うん、そろそろマフラーとか出さなきゃかな」
「お揃いの買いに行こうか」
「いいね。でも、ちょっと恥ずかしいかも」
「良いの、俺達はそれくらいで丁度いいんだから」

2人で暮らし始めて、お揃いで買うことが増えた。箸やコップから歯ブラシ、パジャマ、最近はスニーカーとカバンも買った。

「今日は名前と風呂に入りたいな。一緒に入ろ?」
「うん、私も入りたかった」

家に帰ると、カカシが準備してくれた食事が出迎える。
普段は出来るだけ作り置きをしていて、名前も元気と時間がある時は作るようにしている。カカシに良い家に住まわせて貰っているのだから、出来るだけ家事もやりたい所だがカカシと違い意志薄弱な所や怠けが出てしまい、結局カカシに甘えてしまう。

食事を終えて食洗機のスイッチを入れた。食事を始めた頃に湯を張り始めた風呂は、良い湯加減で風呂場を暖めて待っている。一緒に脱衣室で服を脱いでいると、カカシがニコニコと楽しそうに名前を見下ろして来た。嫌な予感だ。

「今日は、俺が全部洗ってあげるよ」
「えっ、自分で洗えるよ」
「良いから良いから」
「変なことしないよね?」
「しないしない」
「絶対するじゃん……」
「俺ってそんなに信用ないのね」

カカシが言うと本気か冗談か分からないし、こう言う時は大体カカシは良からぬ事をしてくるのだ。名前は警戒して、浴室に先に入った。

「名前、椅子に座って」
「自分で洗うよ」

名前の戸惑いは露知らず。
名前を半ば強制的に座らせると、ボディスポンジにたっぷりのソープを吸わせた。泡を立てながら、スポンジを名前の体に滑らせる。
首筋から腕に泡を伸ばし、腕を洗い終えると反対の腕に。首の裏から背中に周り、脇腹から腹に移動する、臍から少しずつカカシの手が上がってきて名前は慌ててカカシの手を止めた。

「あとは自分でやるよ!」
「今更恥ずかしがらなくても」
「恥ずかしくはないけど、カカシが……」

クールな顔をして、今まで色んなことをさせられた。次は何をされるか。カカシはいつも急にしてくるから心臓に悪い。普段、一緒にお風呂に入ったとしても背中を洗い合う位でこんな所までされたことはない。

「俺が何?」
「暴走するカカシ、何するか分かんないんだもん」

カカシは、そうだね、と少し気まずそうに誤魔化し笑いをする。一応、自覚はあるんだと名前は少し驚いた。

「ま、諦めなさいよ」

泡だらけのカカシの手が、名前の胸を包み込んだ。ヌルヌルとした泡の中で、膨らみをわざとらしく揺らしながらカカシの手が弄ぶ。爪先で乳首の先をカリカリとほじくり返すように刺激される。

「だから、やだ」

硬くなった乳首に向かって、今度は絞り出すように揉みあげる。何も出る訳の無い乳首を、カカシが一生懸命扱きあげる。

「もう、きれいだから」

泣きそうな声で懇願するが、カカシは止める気は無さそうだった。
乳首はジンジンと熱を帯び、引っ張りながら、そのまま指でコリコリと捏ねられて本当に乳首から何かが出てきてしまっている気がした。

「ほんとに!」

名前は半泣きになりながら、カカシの方に振り向いた。

「そんな可愛い顔したら、もっと虐めたくなるでしょ?」
「どうして……ん」

唇を重ねられ、カカシの片手が下の方へと移動を始める。汚れている所を触られることに、名前は恥ずかしさを覚えた。名前が身を捩らせると、カカシが動かないように体を押し付けてくる。背中にカカシの硬くなった熱が当たる。わざとだろう、ゆっくりと擦り付けてくる。石鹸でヌルついた肌が触れ合うのは、何とも官能的で刺激的だった。恥ずかしい、でも気持ちが昂る。襞の間をカカシの指が滑ると、名前の喉から勝手に喘ぎ声が溢れた。

「洗ってるだけなのに、名前は悪い子だね」

前からも後ろからも泡で洗われて、名前は声を殺しながら快感に耐えた。

「悪い子にはお仕置、しないとね」

そんな言葉に胸の奥が燻るのは、全てカカシのせいだ。
洗い終えたのか、シャワーを捻ると名前の身体に優しく当てた。散々弄られた乳首は、シャワーの水圧でさえ刺激になってしまう。名前は身体を撥ねさせた。
やっと泡を流し終えたと思えば、再びカカシが名前の腹に泡を落とした。重力に従い、泡は更にその下の茂みに滑り込む。

「なに?」
「剃るんだよ。名前のここ」

カカシは手を滑り込ませ、名前の茂みに泡を馴染ませる。

「なんで!?」
「何でって、俺が見たいからだよ」
「恥ずかしいよ」
「お仕置だからね、恥ずかしいだろうね」

名前がまごついていると、カカシの両手が強制的に名前の太腿を開いた。

「ひっ」
「危ないから動かないでね」

普段は蕩けるような優しさしかないのに、どうしてこう言う時は強引で意地悪なのだろう。だが、それが嫌かと言われたら否定は出来ない。結局流されてしまうし、流されていいと思ってしまうのだから自分もカカシのこと言えないくらい変態なのだろう。

名前が大人しくなったのを見計らい、カカシは用意していたのか新品の剃刀で少しずつ毛を剃り始めた。剃ったことのないそこは、丸裸にされたらどうなってしまうのだろう。名前は恥ずかしさの余り、目を瞑って時が過ぎるのを待つことにした。
剃刀を当てられ、毛が切れる感触がする。カカシの視線を嫌でも感じる。ご丁寧にも、襞や割れ目を広げて剃られている。もう少しで、子どものように綺麗になるだろう。
恥ずかしさで震えそうになるが、怪我をしてしまわないような大人しく耐えるしか無かった。

「流すよ」
「うん」
「はい、終わったよ」

終わったと言われた所で、目を開けるのも恥ずかしい。どんな顔でカカシを観れば分からない。

「照れてる名前も、ほんと可愛いね」
「えっ、あッ……」

突然指を挿入されて、名前は思わず目を開いた。

「濡れてるね。剃られて興奮した?」
「ち、ちがう!」
「そう?名前のここは、こんなに正直なのにねえ」

指が増え、更に奥に挿入される。指を入れられるだけで気持ちいい。普段は愛おしい程の体の相性の良さも、こう意地悪される時だけは憎たらしい。

「カカシだって……」

カカシも、名前のことを言えないくらいに腫れ上がっている。チラリと名前が見遣ったのを、カカシはフッと笑った。

「当たり前でしょうよ」

カカシの手が名前の手首を掴み、腫れ上がるカカシを握らせる。名前も結局、カカシにどうしようもなく興奮しているのだ。カカシの手に誘導されるまま、根元からぎゅっと握ると、ゆっくりと上下に扱き始めた。

「あ、やばいね……これは」

息を漏らしたカカシは、名前の顎を持ち上げ唇を重ねる。濡れているのは唾液なのか、それとも水か汗なのか分からない。名前の中に、カカシの舌と吐息が入ってくる。
空いているカカシの手が、名前の乳首を転がして、摘んで引っ張ったり、意地悪な動きをしている。
お互いを弄り合う。お互いに限界が近づき始めている。荒い息遣いと濡れた音だけが風呂場に響く。

先に達したのは名前だった。カカシを強く握ったまま、声にならない声をあげた。すぐにカカシも限界に達し、名前の手と腹に精液をぶちまけた。
舌を重ねたまま、息を整える。カカシが名前を強く抱きしめた。

「はー、かわいい」
「カカシの意地悪」
「そうだよ、ごめんね」

体を洗い直し、湯船で温まりなおすと、名前は先に脱衣室で体や髪を拭いていた。カカシも風呂場から出てきて、隣で体を拭いていた。

「カカシ、ドライヤー先に使っていい?」
「ん、いいよ」

名前は、バスタオルを体に巻いて髪を急いで乾かす。ちらりと、無骨に髪を拭くカカシを鏡越しに見た。無駄のない盛り上がった筋肉には、美しい曲線と男らしい直線が混在している。欠点すら美点にしてしまいそうなほど、整った顔。毎日見たって名前の目は慣れてくれない。

自分の髪の毛を乾かし終えて、名前は振り返りカカシの髪の毛を乾かそうと手を伸ばした。一緒にお風呂に入った時のいつもの流れだった。カカシは少し身をかがめて、名前がやりやすいたように頭を向けた。銀髪に指を通して丁寧に根元から乾かしていく。柔らかい。光を透かす銀色の髪。真っ黒な地毛の自分とは違う髪に、ただただ惚れ惚れとする。

カカシの手が伸びてきて、名前の体をバスタオルの上から触り始めた。

「カカシ!?」

名前がドライヤーを降ろそうとすると、カカシの手が阻んだ。

「良いからいいから」
「よ、良くないよ」

名前の胸のやわらかさを堪能するように、カカシは柔らかく手で包み込んだ。ドライヤーを止めるとカカシは乾かすように促してくる。

「もう!終わったよ!」
「ありがとう、名前」

笑いながら頭を上げたカカシが、名前の体を持ち上げて洗面台に座らせた。

「な、なに?」
「さっきの満足できた?」
「だ、大丈夫だよ!」

名前の声を聞く気はないのだろう。カカシは名前の太腿を開くと顔を寄せた。舌を伸ばし、湿り気の残る割れ目に舌を伸ばした。

「んっ」

幾度か舌が蜜を掻き出して、突起に塗りたくった。硬く尖らせた舌が、その小さな突起を刺激する。思わず腰が浮き上がりそうになった所で、無骨な長い指が遠慮なく名前の中に侵入した。名前の柔らかな粘膜は、美味しそうにカカシの指を咥えた。

「やっぱり、カカシ、変っだよ」
「俺が?いつものことでしょ」
「そ、それは」

カカシは笑いながら、否定しなさいよと再び小さな突起に吸い付いた。弄られすぎて訳が分からなくなって来ていた。それなのに、まだ1度もカカシは名前が1番欲しいものをくれない。

「もう、いじわる.......」
「そうだよ、名前が可愛いからね」

カカシは、もう名前の体のことなら、名前よりも分かっている。

「ダメ、ほんとにッ」

限界が見えてきた。震える太股と、丸まる爪先。喘ぎ声を殺して耐えてきたが、もう無理なようだ。カカシの舌が熱くて蕩けて、自分の体も熱く汗が吹き出してくる。

「カカシっ」

泣きそうな声でカカシを呼ぶと、意地悪なカカシと目が合った。カカシは指を引き抜くと、洗面台から名前を下ろして尻を突き出させた。名前は、カカシにされるがまま両手を洗面台に置いた。目の前には鏡。自分と背後に立つカカシが映っている。

「目、閉じたら抜いちゃうからね」

瞬間、名前の中にカカシが入ってきた。名前は、甘い悲鳴と共に全身を震わせた。お互いに1度果て終えた体、十分に解れていてカカシは腰を打ちつける。

「や、やめッ」

名前の悲鳴も虚しく、カカシがお腹の中を掻き回す。疼ききった奥をカカシにほじくり返されて、蜜がダラダラと流れ落ちる。

「気持ちいい、名前」

カカシは、名前の首の裏にキスを落とす。鏡越しにカカシが名前の項に噛み付くのが見えた。鏡の中で目があって、名前は思わず咄嗟に目を逸らす。

「名前、俺の事見てて」

顎を優しく掴まれ、顔を真正面に向けられる。

「明日から連休でしょ?最近さ、忙しくて全然出来なかったからいっぱいしようか」

そう囁くカカシに耳たぶを甘噛みされて、名前は小さくコクコクと頷いた。

「名前は良い子だね」

カカシが腰を揺らす度に、濡れた音が繋がった場所から聞こえる。鏡越しにカカシと目が合う。獣のように鋭い瞳に、名前のお腹の底が疼いた。

「好きだよ」
「わ、たしも好き」

カカシは腰を何度も打ち付ける。名前の胸を鷲掴みにすると、乳首を摘みながらクニクニと捏ねた。全身を噛み付いてしまいたい程に愛おしい。名前の身体に、必死にカカシは自らを刻みこもうとしていた。
太ももに垂れる蜜をすくい上げ、名前のお尻を割り開く。ちいさな蕾に蜜を擦り付けた。小さくキュッと閉じた蕾を、指で左右に開こうとする。流石に変態だから自重しろと思う自分と、名前の身体を隈無く自分色に染めてしまいたい自分がせめぎ合う。
カカシは腰を揺らしながら少し悩んだが、名前の人生の初めてを全て自分で独占したい気持ちに嘘はつけなかった。

「名前、可愛い」

名前の蕾の中に、第一関節まで指を埋める。そのまま指で蕾の襞を解すように緩く左右に回した。カカシが、名前の奥を突くたびにカカシの指を締め付けた。

「あ、んっ」

名前は気付いていない様子だった。カカシはゆっくりと指を深く奥に進めた。中の粘膜が蠢いて、カカシの指に吸い付いた。

「え、カカシっ!?」

やっと名前が気付いたようで、慌てて腰を捩らせる。指が抜けないようにカカシは指を更に奥に押し込んだ。空いた手で名前の腰を掴むと、ピストンを速める。名前の言葉は喘ぎ声に変えられた。

「名前の身体、俺に全部頂戴」

指もカカシ自身も奥にグリグリと押し付けられる。
お互いの限界を共に迎えた。

急いで避妊具をゴミ箱に捨てたカカシは名前の身体を抱き上げる。

「俺に全部くれるよね、名前」

名前は、素直に頷くことしか出来なかった。




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