▼ 001
「ルフィそれなんだ?」 「そうだ!おれも気になってたんだ!」
澄んだ青い空に真っ白な雲、心地いい潮風に綺麗な青い海。ルフィは麦わら帽子を深く被り、ウソップのいた島の島人のカヤからもらったメリー号の船首で首にかけたネックレスを寂しそうにみつめていた。ネックレスには銀色に輝く指輪が通っていた。珍しく元気のないルフィを不思議に思ったウソップとチョッパーは船首に近づいて聞いてみた。
「これか?」
ルフィは顔をあげて、首をかしげるウソップとチョッパーをみた。その表情はどこか寂しそうで、そんなルフィはみたことがない。ルフィは指輪を見えやすいように2人の前に突き出した。指輪にはなにか文字が掘ってある。
「なんて掘ってあるんだ?」 「アミって書いてあるんだ」 「アミ?」
“アミ”初めて聞く女性らしいその名前に2人は首を傾げた。ルフィは寂しそうにその女性の名前を呟く。
「……おれの女だ」 「そうか…ルフィの女か…って」 「ええええええええ!?」
ウソップとチョッパーは船内に響くような大声を出していた。ルフィは驚きもせずに“アミ”ともう一度呟いた。あの食にしか興味のないルフィにまさか女がいたなんて、誰も想像すらしていなかった。ウソップ達の声に驚いて船首にきたナミとサンジに、ウソップ達はルフィに女がいたことを話した。
「ルフィに女?」 「クソゴムに!?」
ナミとサンジもウソップ達と同様に驚いた声をあげる。失敬だぞ!とルフィが喚くが4人は聞いていない。4人は肩を合わせ、なにやらこそこそと話している。ルフィが女をつくるなんてありえないと、4人は自分たちに言い聞かせていた。
「しかも未来の副船長だ!」
“副船長”という言葉に4人はルフィをみた。ルフィの女であれば特になにも聞かないのだが(興味本位で聞くかもしれないが)一味に関わるとなれば話は別だ。どういう人でどのくらい強いのか、今どこにいるのか……気になることはたくさんある。
「?、今はどこにいるんだ?」 「おれがフーシャ村を出た時はいたんだ……、」
ルフィは帽子を深く被ると、寂しそうな顔で話始めた。
prev|next
戻 |