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二人がビッグバンとの戦いで苦戦してる中、私は離れたところで立っていた。新技を試したかったから。 運を集めることができるなら、運を放つことも出来るんじゃないか。放つ運が攻撃力を持っているかはわからないけれど、やってみなければわからない。 「Fate Gathers」 運を自分の手の中に集めて行く。この間攻撃されれば終わりだけど今はゾロとサンジで手こずってるみたいだし。 『そうしてる間に吹き飛ばされた二人がゲーム復帰!おやおや?少々いで立ちが違ってるよ?』 安心した私がバカだったのかもしれない。気絶していたハンバーグとピクルスが復活したのだ。しかも、凶器を沢山つけてきた。 『おっとしかしこれは偶然!審判は今ちょうどストレッチ中で後ろを向きっぱなしだよー!』 本当に審判の役立たずだと思う。お願いだから気付かないで、そう思っている時に限って見つかるんだよね、ホラ。 「ぷぷ!何か企んでるな!」 「頭に来たどリーダー!おれは!先にあいつら2人を片付けよう。」 ハンバーグは疑ってるようだけど、2人の方に行ってくれた。そのスキにどんどん運を集めて行く。手の中に集まる赤い色の運。どうして赤色なのか、どこから集まっているのか私にはわからない。 『ボールマンサンジの前に不運にもバナナの皮がー!不運にもほどがあるぞー!』 ああ、サンジたちから運をもらってしまったのかも。心の中で謝っておいて、運集めに没頭する。 『さァ戻った二人が反撃に出るよ!狙いはボールマンじゃない!剣士ロロノア!鉄のサックで狙い撃つ!』 視界のすみでゾロが倒れたのを見る。あと少しだけ私に時間を欲しい。溜まるまであと少しだと思うから。 『トゲつきの肩当てがせまる!』 「サンジー!避けろー!!」 「サンジー!!」 『狙われたねェ!ボールマンのサンジ!』 サンジ1人だけが3人を相手にしている。血が飛び散る中、私は何も出来ないことを悔やんだ。はやく溜まれ、はやくはやく。 『リーダーハンバーグそれを打ち返す!』 「S!」 『ゴールは狙ってない模様!』 「M!」 「L!」 『グロッキーモンスターズ目を見張る連続攻撃!』 グロッキーモンスターズの連携技でとうとうサンジも倒れてしまった。 『これはもう立ち上がれないねー!麦わらチーム!敵はまさに……グロッキー!!さーてあとはボールマンをゆっくりとリングという名の棺桶に!押し沈めれば2勝目ー!無敵!強すぎるグロッキーモンスターズ!』 あれ、えっと忘れられてないかな。まぁ、いいやその分溜められるし。そう思っていると最初に私を見ていたハンバーグがこちらを向いた。 「ぷぷぷ!女一人か!」 「イヒヒ!まだ残ってた!」 「はやく片付けよう、ぶししし!」 余裕ぶってるようだけど、油断してたら痛い目みるよ。溜まり終えた運をボールを投げるように構える。 「アミー!気をつけろー!」 「アミー!!!」 『大きな歓声の中、最強グロッキーモンスターズに狙われる可愛らしいジュエリー・アミ!彼女に何ができるのか!』 「フェッフェッ!手加減してやれよー!」 手のひらサイズだった球を投げると敵に向かって行くにつれて伸びていく。まるで生きているかのようにクネクネと。毛虫、蛇、いや龍みたいに。 『あれはなんだ!ものすごく眩しい!そして熱い!!彼女は火を操れるのか!?』 赤色だったのは火だからなのか。でもどうして、火が。まだ名前もない新しい技だし、自分の能力のこともよくわかってないからどうしてなのかわからない。 『グロッキーモンスターズ直撃だ!!おっと!?まさか!?丸焦げだ!!グロッキーモンスターズ倒れました!!…二回戦、負けてしまうのか!?もう戦う力は残っていないのか!?…………おっとー!!!立ち上がった!!』 重傷を与えるだけで、死にはしないか。それよりも私の方がもう戦う力は残っていなかった。全ての運を使い果たして、立つこともできない。 「大丈夫?アミちゃん。」 「よくやった。」 倒れそうになったところをサンジとゾロに支えられた。なんだ、息ピッタリじゃない。 「おい、コック。……10秒手ェかせ。」 「……妥当な時間だな。」 私は自分たちのリングへと座り、2人の背中を見送った。もう大丈夫だろう、あの二人が協力すれば負けることなんてないはずだ。
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